■“バス便”を選べばマイホーム候補はグッと広がる


 前章で述べたように「希望条件をスマートにして下さい」とお願いしても、電車通勤をしている人にとって最後まで譲れないのが『駅の近く』という条件。毎日のことですから、駅に近い方が便利なのは当たり前ですね。
◎駅近で通勤→電車の時間に合わせて家を出れば良い。時間の節約ができる。
×バス便で通勤→最終バスは終電より早く、始発バスは始発電車より遅いのが一般的。残業や飲み会などで帰宅が遅くなったり、早朝出勤しなければならないときに、バスと電車の乗り継ぎが上手くいかない可能性が高い。最悪の場合、長距離を徒歩で移動するか、タクシーを使う必要がある。
 このように考えると「やっぱり駅近しかない!」と思えます。マイホームのエリアを考えるときに『通勤』を最優先にするのであれば、それで正解です。
 しかし生活の上で必須となるのは、通勤だけではありません。もしも幼いお子様がいたら、周囲の環境や学校の近さなど、視野に入れるべき要素は他にもあります。
 私はよく、次の3つの要素についてお客様にご説明しています。

【周辺環境】
 駅前は百貨店や家電量販店、コンビニや飲食店、ドラッグストアなどさまざまな商業施設が数多く並んでいるため、ショッピングの際は非常に便利です。大学病院をはじめとする大きな総合病院から専門クリニックなど、医療機関が多いのも特徴です。
 しかし広い公園などの憩いの場は、あまり見られません。通勤時間帯や休日は人も車も増えるため、騒音に敏感な人はストレスを感じるかも知れません。治安もあまり良くないと言えるでしょう。
 バス便の地域は、静かで落ち着いているのが特徴です。町立の図書館や町役場、福祉センターなどの公共施設が多く、広い公園もあり自然が豊かです。地域のコミュニティがしっかりとしていて、畑作業をしている人から新鮮な野菜をお裾分けしてもらえるなど、ご近所さんとの触れ合い、助け合いができるのもこのエリアです。
 小型ではあるものの、スーパーや郵便局、銀行、診療所などの最低限の機能が備わっているため、生活に大きな不便を感じることはないでしょう。
【住宅事情】
 駅に近くなればなるほど、土地は狭く、建物は高くなります。必然的に背の低い建物は日当たりが悪いため、住まいはマンションがメインになります。高層階と比べると、低い部屋は室内がやや暗くなります。マンションの駐車場が空いていない場合、敷地外の月極駐車場を借りる必要があり、高額になります。
 ただし、駅近は需要が高く、資産価値が下がることはほぼありません。売却する際や賃貸として売り出すときに、大きなメリットがあります。
 バス便の住宅は、土地が広く、比較的安価であることが特徴です。物件数も豊富で、選択肢の多さは駅近の比ではありません。一戸建てなら敷地内に駐車場が作られていますし、マンションの駐車場も駅近よりたくさん備わっています。背の高い建物が少ないため、住宅の密度にもよりますが、日当たりは基本的に悪くありません。
 ただし、景気の変動によって土地の価格が下がる恐れがあります。
【子育て】
 駅近には学校や幼稚園が少なく、逆に居酒屋やパチンコ屋、風俗店などの教育上あまり良くない施設が並び、うっかり細い路地に入り込んでしまうと幼い子どもにとって危険な場所がたくさんあります。またほとんどのマンションにはオートロック機能が付いており、子どもが一人で出入りしにくいなど、子育てに向いているとは言い難い一面もあります。特にマンションは床や壁が薄いため「子どもが室内で走ったり大声ではしゃいだりする度に、下や隣の住人に気を遣って子どもを叱ってしまう」という方もいらっしゃいました。
 バス便の地域は学校や幼稚園、保育園が多く、子どもは放課後や休日に図書館や町営プールなどの公共施設を利用したり、豊かな自然の中でのびのびと遊ぶことができます。治安もそれほど悪くなく、子育てに適した環境と言えます。

 このように、何を優先するかで駅近とバス便のメリット・デメリットは大きく変わります。希望するライフスタイルを具体的に担当者にお伝えいただければ、駅近とバス便のそれぞれのメリット・デメリットを、より多角的な視点で説明してくれるはずです。

□ワンポイントアドバイス
・通勤を最優先に考えるなら、駅近のメリットは大きい
・“バス便”なら良い選択肢がグッと広がる

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