■同じ物件は「二度と出ない」と心得よ


 ここまで、中古と新築、駅近とバス便、一戸建てとマンションそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて、ひじょうに大ざっぱですがご説明させていただきました。
 次からは広告や物件を見るときのチェックポイントなど、具体的な注意点をお話ししていきます。
 その前に、もう一つだけ、覚えておいていただきたいことがあります。
 同じ物件は2つない、ということです。

 物件との出会いは、タイミングです。
「こんな良い家は他にありませんよ。今すぐ買わなければ、他の人に取られてしまいますよ!」
 営業マンの代表的なセールストークと思われるでしょうが、信頼できる担当者がそう言ったときは、それは本当にすぐ購入するべき物件なのです。
 実際、お客様が購入を決断され、すぐに売主に連絡をとっても「5分前に別の人から申し込みが入ってしまいました」とタッチの差で逃すことは日常茶飯事です。営業マンがお勧めしたくなるような『良い家』は、他の多くのお客様の目にも魅力的に映っています。もしも「これは理想のマイホームかもしれない」という物件に出会ったら、1秒でも早く決断して、話を進めていくべきなのです。
 ところが物件探しを始めたばかりの人は、営業マンがどんなに勧めても
「少し、検討してみます」
 と言って、保留にしてしまいます。たくさんの物件に触れた経験が少ないため、何が自分に合うのか、合わないのかが、分からないのです。
 これは、ひじょうにもったいないことです。
 私たち不動産会社の営業マンがお客様を現地にお連れする『ご案内』という仕事は、ご希望の物件を実際に確認していただくとともに、お客様の『物件を見る目』を養うという目的もあります。そのため、マイホームを買うと決めたら図面や資料を見るだけでなく、1日でも早く現地に足を運び、一つでも多くの物件に触れて下さい。そして疑問に思ったことは担当者に質問し、新たな希望条件が出てきたらすぐに相談して下さい。これを繰り返すことで『物件を見る目』は確実にレベルアップしていきます。
 良い物件はお客様が「少し検討」している間に、他のお客様が気に入って購入してしまいます。後から「最初に見たあの物件が、私にとっての理想の家だったんだ」と気付いても、その物件が残っているとは限らないのです。
 物件との出会いは、男女の出会いによく似ています。
 理想のパートナーを求めて合コンに初めて参加した人は「あ、この人、ちょっといいな」と思っても、いきなり積極的なアプローチはできません。連絡先の交換をするのが精一杯で、しばらくは他の合コンに参加しながら「様子を見る」ことにするでしょう。やがて会話のコツを身に付け、相手を見る目が養われるとともにどんどん理想が高くなり、どの相手も「いまいち……」と感じるようになってしまう。そんなころ、ふと最初の合コンで出会った相手を思い出して「あの人こそ、自分の理想の相手だ」と気付いた。しかし時すでに遅く、改めてお付き合いを申し込んでみたら、その人にはもう恋人ができていた──。
 いかがでしょうか。本当によく似ていますよね。

 もう手に入らない、その物件の魅力が高ければ高いほど、その後どんな物件を見ても『一番良かったあの家』と比較をしてしまい、欠点ばかりが目に付いてしまう。そのような状態に陥ってしまったら、担当者にその旨を伝えてマイホーム探しを一時中断しても良いと思います。熱が冷めて「あの家じゃなくてもいいから、やっぱりマイホームが欲しい」と思えたら、またご連絡下さい。

 マイホームの購入における『最大の損』は、理想の物件を逃してしまうことです。
 お客様と理想の物件との出会いがいつになるのかは分かりませんが、担当者はそれが一日も早く実現するよう、日々努力しています。
 もちろん、どの物件を購入するのか、決めるのはお客様です。
 どうかそのときに後悔しないよう、自分に合う物件・合わない物件を見極めるための経験を積んでおいて下さい。

□ワンポイントアドバイス
・その場で購入を決めなかった物件は、二度と手に入らないと覚悟しておこう
・理想の物件を逃さないために、物件を見る目を早くから養っておくこと

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