ここが違う!木造住宅の「在来工法」と「ツーバイフォー工法」

在来工法とツーバイフォー住宅
住宅の種類は様々ですが、最もポピュラーな家は「木の家」と思われます。素材としても、木は多くの人に親しまれていますし、数的に言っても木造の家は多いからです。

ところで、木の家にも2つの種類があります。
「在来工法の家」と「ツーバイフォーの家」です。
両方とも木造建築なのですが、「どこが違うの?」と聞かれても分からない人も多いと思います。

そこで、ここでは在来工法とツーバイフォーの違いに焦点を当てて紹介します。


在来工法とは


まずは、在来工法についてです。
在来工法とは、「軸組み工法」とも呼ばれる工法で、日本で伝統的に行われて来た住宅の工法です。
日本の昔からの建築と聞くと、いささか古臭く聞こえるかも知れません。

しかし、今の住宅市場を見るならば、在来工法の家が一番多いです。
このことは、在来工法が「一番実績を上げている」ことを意味します。

また、在来工法の家は、古い家になると築50年を超えている物も少なくありません。
その実績から考えても非常に長い間住むことが可能な住宅とも言えます。
それでは、この工法の基本構造と材料はどの様な物となっているのでしょうか。

木造在来工法とは?(木造軸組工法)わかりやすくご説明

基本構造


在来工法は柱や梁、そして筋交いを組み合わせて作る工法です。
これらの部材で基本的な構造部分を組み立て、その上に屋根を張り、壁を組み立てて家を造ります。

家の構造部分には、家そのものの自重の他に、室内に設置する家財や生活する人の重さ、屋根の上の積雪荷重などが加わります。

また、屋外からの力として、風が吹いた場合に受ける風圧力、地震の時に発生する力などが掛かります。家は、それらの力に耐えなければなりません。

在来工法は、上からの力を柱と梁で受け、風や地震などで発生する横からの力を筋交いで受けます。
「線で外からの力を分散させながら受ける構造」と言うことが出来るでしょう。


材料


在来工法の材料は、今では集成材が多く使われています。
集成材は原料となる材木を一旦細長い板に切り、それを接着剤で接着した材料です。

集成材の特徴としては、強度の均一さや寸法の安定性などが優れている点にあります。
また、大きな断面の材料を造ることが可能であることも魅力的な点です。
そのため、梁材の様な大きな曲げ荷重が加わる部材であっても、自由に作ることが可能です。

尚、自然のままの木材であれば、節などがあるために強度の安定性があまりありません。
しかし、集成材であれば一定の強度が得られ、安定した強度の住宅を造ることが可能なのです。

在来工法のメリット


次に在来工法のメリットを取り上げたいと思います。


間取りを自由に作りやすい


間取りは家づくりにおいて非常に重要です。
部屋の配置をどの様にするかによって、生活動線も変わり、住み心地が違って来るからです。

在来工法のメリットに、間取りを自由に作りやすい点があります。これは柱や梁で基本構造を造るので、大きな部屋を造りやすいです。

尚、家の部屋の広さは部材強度に大きく関係しています。
大きな断面を造りやすい集成材は強い材料を作りやすく、自由な間取りを造る上で便利な材料と言えるのです。


開口部を大きくしやすい


家づくりにおいて彩光の問題は意外と大切です。
彩光が良ければ部屋の中は明るくなりますし、温かくなるからです。
そのため、窓の配置と大きさの自由度が大切になります。

在来工法は大きな開口部を造るのに適している工法です。
在来工法の場合、柱と梁と筋交いで構造を造ります。

窓サッシなどの開口部は柱と柱の間に設けるので、開口部の自由度は高いです。


リフォームがしやすい


住宅は古くなると、設備が老朽化しますし内装材も汚れてしまいます。
また、家族のメンバーが変わると、間取りの変更も必要になるかも知れません。
つまり、リフォームが必要となるのです。

ところで、「リフォームのしやすさ」において、構造の違いで差があるのはご存知でしょうか。

実は「リフォームしやすい構造」と「難しい構造」があるのです。
在来工法は「リフォーム」をしやすい構造の1つです。

これは、基本構造が柱と梁と筋交いで作られていて、壁の変更が比較的容易だからです。そのため、壁を移動して間取りを変えることなども可能なのです。


在来工法のデメリット


次に、在来工法のデメリットについて説明します。
在来工法は実績があって良い家を造ることが出来る、非常に優れた工法なのですが、やはりデメリットもあります。


品質にバラつきがある


まず挙げられるのが「品質にバラつきがある点」です。
在来工法は最もポピュラーな工法で、多くの工務店で対応が可能です。
しかし、工務店の間では、どうしても「技術の差」が出てしまいます。

ある工務店はスピードがセールスポイントかも知れません。
また、別なところは現場対応力があるかも知れません。

この様に、工務店によって得意の分野もありますし、不得意な分野も工務店毎にどうしても出て来ます。
そして、その「得意な部分と不得意な部分」が仕事にまで現れて、バラつきとなってしまうのです。


工期が長い


在来工法の工期は長めになります。
この点がデメリットです。

住宅の工法としては、工場でほとんどの部分を造るプレハブの様な構造から、現場での組み立てが多くなる在来工法までと様々ありますが、現場での施工が多くなるほど工期が長く掛かります。

在来工法の場合、部材を工場で加工して現場に運び込んで組み立てます。
その後で壁や屋根を張る工程となり、工場での作業工程が少ないです。
そのため、工期が長くなってしまうのです。
ツーバイフォーに比べ1か月から2か月程度工期が長くなります。


断熱性で劣る


在来工法の断熱は、柱や梁などの部材の間に断熱材を設置して作ります。
そのため、柱の部分などで熱が伝わりやすくなる場合があります。

また、施工があまり良く無い場合、断熱材と部材に隙間が発生しやすいです。
そのため、断熱性で劣る場合があります。


ツーバイフォー工法とは


次にツーバイフォー工法について説明します。
ツーバイフォー工法は日本ではあまり知られていなかったかも知れませんが、実は海外ではメジャーな工法です。

歴史を見てみると、アメリカの開拓時代に広まった様です。
今ではアメリカやカナダでは木造住宅のほとんどが、ツーバイフォー工法で建てられているとも言われます。

ちなみに、日本にもツーバイフォー工法で建てられた有名な建築物があります。
国の重要文化財にもなっている、札幌市時計台が有名な例です。

札幌市時計台は1878年に建てられたと言いますから、140年以上も現役で使われていることになります。


基本構造


ツーバイフォー工法は、断面が2インチ×4インチの木材(ツーバイフォー材)と合板でパネルを造り、そのパネルを組み立てて家を造る工法です。

在来工法と違うのが、在来工法は風や地震などの外力を柱や梁などで受けるのに対して、ツーバイフォー工法では、パネルで受けます。

ですから、在来工法が「線」で外力を受けるイメージと考えれば、ツーバイフォー工法は「面」で受ける形になります。
そのため、外からの力を上手に分散出来るため、強度の高い建物を造ることが出来ます。


材料


ツーバイフォー工法の材料は、ツーバイフォー材と呼ばれる木材と合板です。
材料を考えるならば、非常にシンプルと言えます。

ツーバイフォー材の樹種は「SPF」とも呼ばれる種類で、トウヒ、マツ、モミなどをメインとしています。主な産地はカナダとアメリカです。

また、ツーバイフォー工法には合板が使われていますが、強度が非常に高く耐用年数も長いです。


ツーバイフォー工法のメリット


ここで、ツーバイフォー工法のメリットについて紹介したいと思います。


耐震性に優れる


ツーバイフォー工法の家は、壁、床、屋根をそれぞれのパネルで構成しています。
そして、それぞれのパネルは非常に強度が高いです。
そのため、構造全体の強度も非常に強くなり、耐震性に優れます。

地震の力は縦と横の振動と言うことが出来ますが、ツーバイフォーの家は、これらの振動をパネルで受けます。
パネルは非常に強度が高いので、仮に地震が来たとしても、簡単には破損しないのです。


気密性が良い


気密性が良いこともツーバイフォーの家のメリットです。
ツーバイフォーの家はパネルで構成します。そのため隙間が生まれにくく、気密性が良くなります。

そのため、断熱性や遮音性などの点でも有利です。
尚、遮音性が良い点はプライバシー確保の点でもメリットがあります。


工期が短い


ツーバイフォー住宅はパネルで家を造ります。
そのため、工期が短く済みます。
在来工法の場合は部材を現場で組み立てて、その上に屋根や壁を張りますが、ツーバイフォーの場合はパネルを組んで作ります。

この構造の違いが、工期の差に現れると言えるでしょう。


ツーバイフォー工法のデメリット


次に、ツーバイフォー工法のデメリットを挙げてみます。
ツーバイフォー工法の家はパネルで構成しています。この工法のデメリットはパネルで作ってあることが起因するとも言えそうです。


間取り変更が難しい


まず挙げられるのが、間取り変更が難しい点です。
ツーバイフォー工法はパネルで家を組み立てます。
パネルは基本的には建物に掛かる外力を受けるため、簡単には動かせません。
そのため間取りの変更は難しくなります。


大きな窓を作りにくい


ツーバイフォー工法の家は壁そのもので地震力などを受けます。
そして、強度保持のために、壁が必要になります。そのため、大きな窓を造りにくいです。

大きな窓は非常に開放的な雰囲気を作りますが、ツーバイフォーの家では、その点で不利になります。


カビやダニの問題


ツーバイフォーの家は高い気密性能を誇ります。
その点はメリットとして数えられるのですが、気密性が良すぎて、カビやダニの問題が発生することがあります。

そのため、別途に換気を考える必要が出て来ます。

まとめ


在来工法とツーバイフォーの違いを見て来ました。
双方共にメリットとデメリットがあるのが分かったことと思います。
ただ、どっちが優れているか…については判定が非常に難しいです。

在来工法の大工さんよりも、ツーバイフォーの大工さんの方が数が少ないので、一般的なのはどちらか?と聞かれれば、在来工法ですと答えます。

お近くの工務店のほとんどは、在来工法の工務店だと思います。ハウスメーカーの工法はツーバイフォーが多いです。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

この記事をシェアする
-----------------------------------------------

未来は創り上げるもの
体験を共有して次に繋げたい!この記事を読めばきっとあなたの悩みも解決します!