再確認!火災報知器の種類と仕組み。煙感知式と熱感知式を比較してみる

火災報知器
「転ばぬ先の杖」とは良く言った物で、災害などに対する日頃からの準備は非常に大切です。実際に自然災害などが発生した時に、準備のある場合と無い場合では、災害発生後の過ごし方に大きな違いが生じることでしょう。

ところで、不動産の場合を考えてみると、その様な準備として連想されるのが火災保険であると思います。火災保険は火災だけの災害に留まらず、実は様々な被害に対応しているからです。
しかし、ここでは被災した場合の対策では無く、もう1つ前の段階 …防災について考えたいと思います。…今回は火災報知器がテーマです。

火災報知器の必要性


まずは火災報知器の必要性について再確認をしたいと思います。
と言うのも、古い住宅の場合には火災報知器の設置していない物件もあるからです。火災報知器は確かに小さい機器ではありますが、実は非常に重要な機器なのです。

人命保護のため


まず第一に必要性として挙げられるのは、やはり「人命保護」のためと言えます。
確かに建築物には燃えにくい素材が使われていますし、延焼の起こらない工夫もしています。また、避難の手段においても工夫がなされています。例えば、マンションなどであれば、玄関ドアから逃げられなくともベランダから逃げられますし、戸建て住宅の場合には上の階には避難はしごが設置してあります。

しかし、それらはあくまでも被害の拡大防止や、避難をスムーズにするための手段です。そして、それらは火災などの発生を報知する機能は無く、被害発生と非難指示のための機器としては、あまり有効とは言えません。
やはり災害発生には災害を最小限にし…それも人命を守る上では、災害発生を知らしめる機器が必要なのです。火災報知器は、その様な災害発生を知らしめる機器として、更には人命を守る機器として必要なのです。

被害を抑えるため


次に挙げられるのが「被害を抑えるため」と言うことが出来ます。と言うのも、火災発生から被害の拡大は「待った無し」であり、119番通報の早さによって被害の規模が違うからです。逆に言うならば、早い119番通報は被害拡大を防ぐのに、非常に有効となるのです。
今では携帯電話からの緊急通報が可能であり、火災発生が分かってからすぐに119番通報が出来ます。その際、災害発生から通報までを、より早くするためにも、災害発生を知らせる機器…すなわち火災報知器が必要なのです。

周囲への延焼を防ぐため


前述の様に、建物には様々な防火対策が施されていますが、それは人命を守るだけではありません。周囲の家を守るためでもあります。更には、街を大規模な火災から守るため…と言っても言い過ぎでは無いでしょう。
建物の防火対策の例を挙げるならば、例えば壁や窓ガラスには、周囲の家に燃え広がることを防ぐための物が使われています。また、窓サッシには網入りガラスの物が使われていますが、これは延焼防止のための物です。

ところで、延焼防止のためには、火を防ぐことも重要なのですが、やはり一刻も早い消火活動のスタートが必要です。そのためには出火を知らせることが重要で、そのために火災報知器が必要なのです。

煙感知式報知機の仕組みと特徴


火災報知器には煙感知式の物と熱感知式の物があります。双方に特徴があるのですが、感知器の仕組みが分かれば特徴を把握しやすいので、ここではその仕組みから説明します。
まずは煙感知式報知器の仕組みです。

煙感知式報知器の仕組み


煙感知式報知器の内部には、発行ダイオードと受光素子が組み込んであります。この発光ダイオードは常時点灯しているのですが、内部の構造により、光が受光素子には届かない仕組みとなっています。
しかし、報知器の中に火炎などで発生する煙が侵入すると、発光ダイオードの光が受光素子に当たり、報知器が警報音を鳴らします。

どの様な場所に向くか


煙感知式は基本的にオールマイティなのですが、主として、寝室、階段、廊下、そして居室に設置します。
このタイプは、仮に火がそれほど大きくなかったとしても、煙が出れば検知します。そのため、例えば寝タバコなどにも対応可能なので、火災の拡大リスクを大きく下げることが可能です。

誤報はどの様な時に起こるか


煙感知式の火災報知器は、火災意外での煙でも鳴ってしまうことがあります。例としては、焼き肉や焼き魚などの調理の際に出る煙や、加湿器から出る湯気、殺虫剤のスプレーで鳴ることや、結露や小さなゴミなども原因となることもあります。
また、経年劣化なども良くありません。と言うのも、年数が経ってしまうと、機器内部の配線部分に腐食が発生してしまったり、素子そのものが経年劣化してしまうのです。
誤報を避けるためにも経年劣化に注意し、定期的に機器自体を交換することが必要です。

熱感知式報知機の仕組みと特徴


次に、熱感知式火災報知器について説明します。この場合も、検知の原理を知っておくことは役に立ちます。

熱感知式報知器の仕組み


熱感知式は内部の素子が、約65℃になった時に信号を出し、鳴る仕組みになっています。
ですから、仮に煙が上がっていたとしても、温度が上がらないと鳴りません。

どの様な場所に向くか


この報知器は煙では反応しないので、キッチンへの設置が向きます。これはキッチンは煙が発生しやすく、煙感知式の場合は誤報が多く出される可能性があるからです。
ただし、自治体によっては、煙感知式の設置を義務付けているところもあるので、家を建てる時には確認が必要です。

誤報はどの様な時に起こるか


このタイプの報知器は経年劣化による誤作動が多いです。まず挙げられるのが、内部の配線部分の腐食。そして素子そのものの劣化です。経年劣化が問題になるので、このタイプも機器そのものの定期的な交換が必要となります。

火災報知器には電池式と電気式がある


さて、火災報知器は検知方式の違いだけでなく、電源によっても種類が分かれます。「電池式」と「電気式」です。

電池式の特徴


電池式火災報知器は、文字通り、電池を火災報知器の中にセットして使います。
そのため、天井に報知器の電源用の電気工事が必要が無いため、比較的容易に設置をすることが可能です。ただ、電池は時間が経つと無くなってしまうので、定期的に交換する必要があります。
尚、製品寿命は約10年です。報知器としては確かにそれ以上の運転は可能ではありますが、素子が劣化して感度が変わる可能性もあるので、10年を目安として取り換えましょう。

電気式の特徴


次に、電気式報知器の特徴について解説します。
電気式報知器は家庭用電源で動くので、電池式の様な電池交換は必要ありません。そのため、一度設置してしまえば老朽化してしまうまで、そのままの状態で使えます。
ただし、設置する部分に電源線を持って来る必要があるため、電気工事が必要です。そのために工事のコストが発生します。
尚、電気式は確かに電気の供給と言う点から考えると、半永久的に使える様に思えるかも知れませんが、実際には素子の老朽化が発生するので、10年を目安に交換することが必要です。

投資用不動産の場合を考えると…


ここで、投資用不動産を運営する場合を、火災報知器の設置と絡めて考えてみたいと思います。
投資用不動産は入居者からの家賃で成り立つビジネスですが、不動産を提供すると同時に、心地よく安全な生活を出来る様にしなければなりません。
それでは、この観点を火災報知器に照らし合わせて考えると、どの様な話になるのでしょうか。

新築物件と中古物件


新築物件と中古物件を投資用として利用する場合、物件の外観や設備の新しさから考えると、新築物件に軍配が上がります。当然ながら、新しい物件なので、火災報知器が設置してあります。ただし、集客力は高いかも知れませんが、取得費用がその分高くなるので、利回りはあまり良くなりません。

その一方で、中古物件は設備はあまり新しく無いのが欠点ですが、取得費用が抑えられるメリットがあります。そのため、利回りは高くなりやすいです。ただし、火災報知器に関しては必ずしも全物件が備えているとは限らず、後で設置する必要性が出て来ます。

報知器設置はどの様な物件が向くか


さて、それではどの様な物件にどの様な報知器が向くのでしょうか。
まずは新築ですが、電源工事がしやすいため、電気式の方が向いています。と言うのも、電池式の場合には入居者に電池交換をさせる必要が出て来るからです。入居者により快適な生活を提供することを考えるならば、メンテナンスの少ない電気式が推奨されます。

その一方で、中古物件についてはどうでしょうか。
これは、やはり電池式の方がベターです。と言うのも、既存の建物に電源線を引っ張るのは、意外に大変な工事だからです。場合によっては天井を剥がす必要も出得るので、単なる内装工事では終わらなくなります。
確かに、電池式は電池の交換が必要にはなるのですが、利回りを上げるためにも入居者の了解を取りましょう。

火災保険との関連


火災報知器を設置すると、機器の分だけコストが発生するために利回りが悪くなってしまう…と思えるかも知れません。しかし、火災報知器を設置することによって、火災保険の保険料が安くなることもあるので、設置が必ずしも経営を圧迫するとは限りません。むしろ物件の安全性を確保することにより、物件としての質を上げることが可能です。

尚、火災報知器は物件を見れば天井の設置の有無が分かります。そのため、防災を気にする入居希望者には、報知器の有無で物件の安全レベルが分かってしまうので、付けた方がメリットがあり、無難…と判断出来ます。

まとめ


火災報知器の煙感知式を熱感知式について、動作する仕組みから設置場所などを紹介して来ました。
建物のどの部分に設置するかが分かったことと思います。
防災は日常生活でも投資用不動産においても、確保することが重要です。不動産を持つ場合には、適切な物を選んで設置しましょう。

 
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