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旧耐震基準でも大丈夫! プロが解説!中古住宅購入時に気を付けたい耐震チェック項目

中古住宅の耐震基準について

最近の地震の多さや大きさは誰しも気になる所でしょう。阪神淡路大震災、東日本大震災などはまだ記憶に新しい出来事です。このような災害において住宅の基準も色々と変化してきており一番大きく変わったのが耐震基準です。これは1978年に起きた宮城県沖地震を機に1981年に改正された新耐震基準です。現在の建物はこの耐震基準を基に建築されており旧耐震基準より強度の面でかなり強く考えられています。それでは旧耐震診断基準の建物は地震に対して弱いのでしょうか。これは一概には弱いといえません。旧耐震基準であっても非常に強い建物も数多く存在します。今回は中古住宅購入の上で非常に気になる旧耐震基準で建築された建物のチェック項目を解説していきます。

耐震診断方法

耐震診断方法は素人でも診断できるのでしょうか。この疑問はおおよそ3段階に分かれており素人でもできる耐震診断と専門家の目視による診断そして精密耐震診断と分かれています。それぞれの費用としては素人個人で行う耐震診断は当然ゼロ円となります。専門家の目視のみの耐震診断の場合5万円〜10万円程度になります。そして機械などを使用した精密耐震診断は10万円〜30万円と幅が広くあります。事項より素人でもできる耐震診断の判断基準のチェックポイントをご紹介していきますので住宅購入の参考にしてみてください。

耐震診断のチェックポイント

耐震診断のチェック項目の内容としては一般財団法人の日本建築防災境界の資料等を参考にしていくと非常に分かり易く素人でも簡易的に耐震診断ができます。専門的な用語なども多少ありますが理解するのにさほど難しくありませんので安心して取り組んでみてください。またこのチェックポイントはあくまで参考になりますので地震保険等は安くなりませんので注意してください。地震保険の割引対象は精密耐震診断を受け尚且つ耐震工事を行った物件が対象になります。

建物完成日

まずは建物完成日をチェックしてみましょう。建物完成日が1982年以降であれば耐震基準は新耐震基準となっているでしょう。新耐震基準は1981年に改正された為その年の完成建物物件は旧耐震基準の可能性もあります。まずはこの部分をチェックする為に建物の謄本の登記された日について調べてみてください。

建物の形について

建物の形はどうでしょうか。建物はバランスの良い形をしているでしょうか。バランスの良い形というのは長方形や正方形です。細長い建物や建物の外周がT字型・凹型・凸型などにはなっていないでしょうか。これはイメージして頂ければ分かるかと思いますが地震の揺れは綺麗な四角形の方が自身の揺れを均等に吸収してくれるのです。建物の一部が突出していたり凹んでいたりするとその部分に地震の揺れが集中してしまい破損し易くなってしまいます。この建物の外周部の形状を確認しましょう。

基礎の構造について

建物の基礎はどうでしょうか。基礎には大まかにベタ基礎と布基礎という2種類の基礎工法に分かれています。ベタ基礎というのは床下すべてがコンクリートになっていることです。対して布基礎は床下の部分が土の状態になっています。耐震基準としては布基礎よりベタ基礎の方が軟弱地盤に対して強く地震の揺れに対しても強いと言われています。また湿気対策に関してもベタ基礎の方が有効です。また中には昔の田舎住宅の束石タイプの基礎もありますので注意してください。束石タイプの基礎は建物のゆがみが出やすく廊下や各部屋の平行が崩れやすいと言われています。

吹抜けについて

購入する計画の建物に2階までの吹抜けはあるでしょうか。1坪程度の吹抜けならば問題はありませんが8畳位の吹抜けがあると地震の横揺れに対して弱くなる傾向にあります。吹抜けが大きくてもキチンと張りや火打ちと呼ばれる部材が入っていれば問題ないといえますので吹抜けの大きさにも是非注意しておきましょう。

吹き抜け 八王子 不動産

耐力壁について

耐力壁とは「地震の時に揺れを吸収してくれる壁」のことです。基本的に建物の角はL型に壁が配置されているほうが好ましいといえます。コーナー窓などがあると筋交いと言われる耐震部材が入っていないのでその窓部分が地震に対して弱いとも言えるでしょう。また壁の開口として掃き出しの窓多いタイプや倉庫などの間口が大きい開口部がある場合も注意が必要です。窓やシャッターの両脇に910mm程の壁は欲しい所です。昔の農家住宅などは非常に開口部が多いので注意が必要かもしれません。

屋根材について

屋根材はどうでしょうか。屋根材が瓦で重いタイプだと地震の際におきた重力運動で瓦の荷重がさらに重くなり建物に負担をかけてしまい倒壊するケースも報告されています。一方コロニアルと呼ばれる平板スレートタイプの屋根材であれば重量も軽く建物への負担も少ないと言えるでしょう。またガルバニウム板金などの屋根材も非常に軽量の為地震に対しては安心できます。しかし、コロニアルは瓦とは違い色褪せが出やすい材料ともいえます。ガルバニウム板金はサビや雨音などの懸念もあるのでよく検討してみてください。

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増改築について

購入予定の住宅について増改築はされているでしょうか。内装の張替などであれば問題ありませんが無理に一部屋増やすことや1階建てを2階建てにしていないでしょうか。キチンと耐震計算をして確認申請を取得していれば問題ありませんがキチンとした設計を行わず増改築をしていると地震に対して必要な壁が壊されている可能性があります。その場合当初予定の建物の性能が充分に発揮できませんので注意が必要になります。建築した当初の図面と現在の建物の形を照らし合わせてよく確認してみることをおすすめ致します。

建築に関する書類について

建物を建てる時には基本的に建築確認申請という申請が設計事務所や建築士により提出されます。この建築確認申請はいわば建物の説明書のような物です。非常に大事な物ですので購入予定の住宅に保存がされているかどうか必ず確認してみてください。この建築確認申請書に添付の図面にて耐震性能が判断されます。またできれば建物の完了検査の検査済証があると非常に良いといえます。しかしこの完了検査については厳しく厳罰化されたのが2005年の耐震偽造問題からなので完了検査済証がある旧耐震基準の物件は残念ながら少ないとも言えるでしょう。

地盤について

地盤の強度については残念ながら素人個人でチェックする方法はあまりありません。地盤調査会社にてスウェーデン式サウンディング調査やボーリング調査などで調査して内容を確認するようになります。費用としては5万円から20万円前後になります。簡単な目視での地盤チェック方法としては「基礎の亀裂が縦に2mm以上入っていないか」を確認することや近辺の境界ブロックなどが「歪んでいないか」をチェックする程度になります。しかしこの場合自然劣化との見分けがつきづらいこともありますので参考程度に考えておきましょう。

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瑕疵保険について

耐震性能や後から問題がおきないようにしたいと考える方は瑕疵保険の加入も検討すると良いでしょう。瑕疵保険とは本来の住宅の性能が発揮できずその瑕疵により購入者が損害を被った場合に対応してくれる保険になります。非常にユーザー側に沿った安心できる保険になりますので色々と条件がありますがおすすめできる保険と言えるでしょう。

まとめとポイント

いかがでしたでしょうか。中古住宅の購入の際に心配なのが耐震性だと思いますが難しく考えなくても素人でも色々とチェックできる事項は多いものです。専門の診断士なども今回ご説明した内容をさらに細かく診断する形となりますので是非一度住宅購入前にユーザーチェックしてみるのも良いと思います。その上でどうしても心配であれば耐震診断を行い確認してみましょう。自分で行ったユーザーチェック内容もキチンと書類にしてまとめておけば専門の耐震診断士とも共有できますのでさらに詳細な診断結果を得られることでしょう。まずは頑張ってユーザーチェックを行ってみてください。

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