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家づくりの知識

木造戸建て 旧耐震の家は大丈夫?

木造戸建てに住む場合に、耐震性などの安全面が気になる方は多いと思います。旧耐震基準の木造住宅だと、地震がきたときに倒れないかどうか不安になりますよね。

ここでは、旧耐震の木造戸建てでもどうすれば問題なく住めるのか、リフォームするとしたらどれくらいの費用がかかるのか、について説明していきます。

10年後や20年後も安心して暮らし続けるために、ここで必要な知識を備えておきましょう。

旧耐震の家とは?

地震の多い日本では、これまで大きな地震が起こるたびに耐震基準が見直されてきました。なかでも大幅な見直しが行われたのが、1981年6月の耐震基準の改正です。

旧耐震震度5程度の地震に耐えうる住宅
新耐震震度6強以上の地震で倒れない住宅

新耐震基準が適用されるのは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物です。耐震基準はこれ以降も改正されていますが、木造戸建ての場合は1981年の新耐震基準が最も重視されます。

1981年より前に建てられた木造戸建ては旧耐震基準が適用されているため、震度6以上の地震に耐えられる保証はありません。

旧耐震の家でも安心して暮らし続けるためには、耐震リフォームなどで対応する必要があります。

旧耐震の木造戸建てに住むときの注意点

木造戸建ての中には、新耐震基準に対応していない物件が多数あります。

旧耐震の木造戸建てに安心して暮らすためには、事前調査が欠かせません。住み始めてから後悔することがないように、まずは現状をしっかり確認しておきましょう。

リフォーム履歴をチェックする

築年数の古い木造戸建ての場合、メンテナンスの有無によって耐震性や安全性が異なってきます。古い家でも定期的にリフォームしてメンテナンスを行っているのであれば、ある程度の安全性が確保されており、安心して暮らすことができます。

日本の木造住宅の平均寿命は一般的に30年といわれていますが、しっかりメンテナンスを行っていれば、50年、100年と暮らし続けることも可能です。

数十年以上の築年数があるにも関わらず、メンテナンス履歴が一切ない木造住宅だと、購入した後に多額のリフォーム費用が発生する可能性があるので要注意です。

同じ築年数の木造戸建てであっても、リフォーム履歴によって安全性はまったく異なるので、事前にしっかり確認しておきましょう。

現地調査・耐震診断を受ける

目視しただけでは、その家の耐震性まで把握することができません。家の中はきれいにリフォームされていても、構造上の問題がある場合もあるので、事前に専門家による調査を受けましょう。プロの目で家を診断してもらい、耐震性を確かめる必要があります。

同じ土地、同じ時期に建てられた家でも、間取りやシロアリ被害の有無などによって耐震性は異なります。地盤がゆるい場合もあるので、素人だけで良し悪しを判断するのは危険です。

現地調査、床下調査、耐震診断などは比較的安い費用で利用することができます。旧耐震の木造住宅であれば、自治体の耐震診断を無料で受けられる場合もあるので、事前に相談してみましょう。

耐震補強リフォームの費用はいくら?

旧耐震の家を毛嫌いしていては家は買えません。実際に旧耐震の家を購入するとなったら、リフォームで耐震補強をすることを考えてみましょう。

リフォームするとなると、当然ながらお金がかかります。耐震補強リフォームにどれくらいの費用がかかるのかを事前に把握しておくと、将来の計画も立てやすくなります。

耐震補強リフォーム費用の目安

耐震補強リフォームにかかる費用は、工事内容によって大きく異なります。

50万円以下壁に筋交いを設置し補強
50万円〜100万円外壁に補強材(ブレース)を取り付け 耐震パネルの補強工事
100万円〜150万円屋根材を軽量化してバランスを改善

100万円以下の予算だと、壁解体なしの改修や外壁の補強がメインとなります。全面的な補強を考えているのであれば、100万円以上の予算を見積もっておきましょう。

120万円〜150万円で耐震リフォームできる場合が多い

耐震補強リフォームにかかる費用は家の状況によって異なるため、一概には言えません。ただ、120万円〜150万円でリフォームできる例が多いため、150万円ほどの予算を見積もっておくといいでしょう。

ただし、築年数が経っている木造住宅の場合、湿気やシロアリなどの原因で建物が劣化し、大規模な補修が必要になる場合もあります。劣化具合によって費用も異なってくるので、心配な場合は事前にリフォーム会社に見積もりをもらっておきましょう。

木造戸建ての耐震リフォーム費用を抑える方法

古い木造住宅だと、リフォームする箇所が多くなり、予算を大幅にオーバーする可能性もあります。限られた予算で耐震リフォームをしたいなら、少し工夫をしてみましょう。工夫次第で予算を安く抑えることができます。

リフォームの優先順位を決める

一戸建て全体を補強しようとすると費用が高額になりやすいので、まずは最優先してリフォームすべきところを決めましょう。

外壁や屋根の補修などは後でもいいので、建物の土台や柱などの補修を優先的に行う必要があります。建物の基礎部分や腐食箇所の修復は最優先して行い、予算があまったら壁の補強などを行いましょう。

建物の状態によって補強すべき箇所が異なるので、リフォーム業者とよく相談しながら補修する箇所を決めていくことが大切です。

減税制度を利用する

木造戸建ての耐震リフォームをするときは、住宅ローン減税や所得税の減税、固定資産税の減税などが適用される場合があります。

減税制度を利用するには、いくつか条件をクリアする必要がありますが、旧耐震の木造住宅であれば、自治体が耐震リフォームの一部を助成してくれる場合もあります。

耐震リフォームの費用を安く抑えられるチャンスなので、住宅のある自治体の補助金制度を積極的に活用しましょう。

まとめ

築年数の古い旧耐震の木造戸建てでも、しっかり耐震補強をすれば、安心して暮らし続けることができます。ただし、何の知識もないままにリフォームを始めてしまうと、費用面と施工面の両方で損をしやすいので注意が必要です。

まずは、過去のリフォーム履歴や耐震性をチェックし、どのような対策が必要なのか洗い出しましょう。その上で、予算や業者と相談しながら耐震リフォームを行うことが大切です。

耐震補強工事については素人ではわからないことが多々あるので、信頼できるリフォーム会社とよく相談しながら工事を進めていくことをおすすめします。上記の金額は、『耐震補強工事』に対しての費用です、それに付随する補修費用は別途かかりますのでお間違えの無いように。