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家づくりの知識

交通事故より死亡率の高い【ヒートショック】浴室乾燥暖房機が命を救う

ヒートショック

住宅の設計は、何よりも生活する人の安全を第一にして行われなければなりません。
もしもその部分がなおざりになってしまうと、家庭内事故のリスクが増えてしまうからです。
住宅にはデザインなど、削るのが惜しい性能もありますが、やはり安全第一でなければならないのです。

ところで住宅の「安全第一」と言うと、お年寄りなどの転倒事故の回避を思い出す人も多いことと思います。
そのために段差をなくしたり手すりの設置は必要です。

しかし、一見すると、家庭内での安全にあまり関係無さそうな機器が、実は重要な場合があります。
今回紹介する浴室乾燥暖房機も、その内の1つだと思います。

浴室乾燥暖房機は、確かに室内を暖かくする目的もありますが、「それほどまでに健康と関係があるのか」…と、面食らう人もいるかも知れません。

それでは、どの様な形で安全と関係するのでしょうか。浴室乾燥暖房機の重要性からはじめて、解説して参りましょう。

浴室乾燥暖房機が重要な理由

浴室乾燥暖房機は、雨天時などで洗濯物を干す時に困った際に、効率的に洗濯物を乾燥出来る設備です。
また、冬の寒い日などは、浴室全体を暖め、心地の良い入浴を可能とします。

しかし、もう少し掘り下げるならば、その奥に見えて来ることもあります。その部分について解説します。

気温の変化を小さく出来る

ここで生活動線について考えて見ましょう。
冬の日などの場合、家族はリビングに集って食事を取ることと思います。

その日の晩は鍋などを家族全員で食べて、身も心も温かくなっているかも知れません。
当然ながら、そのリビングは快適な室温となっていることと思います。
しかし、そこから浴室に向かうことを考えてみます。

例えば、夜の9時頃、その家の年配のご主人が入浴に向かいます。
多くの場合、脱衣所などはリビングと違って寒いことと思います。

そして、その人は服を脱ぎ、浴室に入ります。
この時、一般の浴室であれば、脱衣所よりも寒くなっているかも知れません。
そして、浴槽に入ります。
この時に身体の周囲は瞬間的に温度が上昇します。

この一連の動きを、「温度の観点」で見てみると、リビングから浴室の洗い場までは周辺温度が下がりますが、浴槽に入った際に、一気に温度が上がります。
…つまり、温度の変化が非常に激しいのです。

しかし、浴室暖房乾燥機を設置すると、浴室内の気温が上がりますので、入浴が快適になります。
これは、この設備が浴室の室温を上昇させるからです。

気温の一連の変化を見てみると、リビングから洗い場までが気温が下がるのに、浴室乾燥暖房機を使うと、洗い場での寒さが解消されます。

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温度差が少なくなるとどうなるか

温度差が少ないとどうなるのでしょうか。
まず、寒く無いので、入浴が非常に快適になります。
気分の良い入浴は、身体に良いだけでなく精神的にも良い影響を得ることが出来ます。

しかし、温度差は快適性ばかりの問題ではありません。
実はこの温度変化によって、深刻な健康被害を受けることもあるのです。

また、浴室はスリップによる転倒事故なども多い「住宅内でも危険な部分」ですが、スリップの事故の発生確率も高くなるのです。

そのため、温度の変化は単なる「寒いか熱いか」の問題では無いのです。
しかし、温度差が少なくなると、気温差が解消されるため、この様な事故も起こりにくくなります。そのため、浴室乾燥暖房機の気温差を解消する機能は、安全上、非常に重要となるのです。

ヒートショックはどれくらい危険か

ここで、ヒートショックの危険性について解説します。
ヒートショックが温度に関係することは、想像にそれほど難しくは無いかも知れません。
言葉の雰囲気から読み取れるからです。

しかし、これがどの様な意味を持って、どれくらい危険であるかは、なかなか分かりにくいかと思います。
そこで、ここではヒートショックがどう言った物であるかについて解説します。

発生する症状

まずは、ヒートショックによって起こる症状についてい取り上げてみます。
ヒートショックによって起こる健康被害は「めまい」や「ふらつき」などといった症状から、心筋梗塞や脳卒中などの様な致命的な被害までが挙げられます。
また、ヒートショックによって失神してしまい、そのまま溺れてしまうケースもあります。

これらの症状の原因としては、身体の周辺温度の急激な変化による物が、その1つとして考えられます。
メカニズムとしては、周辺温度が下がると体内の血管が収縮し、温度が上がると拡張されます。

これにより体温が逃げて行くのを阻止するのですが、それと同時に血圧も変化します。
そして、周辺温度が急激に変化すると、血圧の状態も不安定になり、健康被害へと発展するのです。

転倒リスクも上がる

ところで、風呂場でのヒートショックは重篤な物から比較的軽度と見られる物まで、症状の幅が見られますが、仮に軽度に思われる症状であったとしても、決して軽視は出来ないことを覚えなければなりません。

と言うのも、浴室はスリップなどの転倒のリスクが高い場所だからです。
仮に、症状がめまい程度と思われた場合であっても、転倒してしまうと骨折の様な大きな怪我にも繋がり得ます。

特に、浴室が古く、床面がタイルなどで仕上げている場合には、スリップの危険性が大きくなりますから、安全対策は非常に大切になるのです。

発生件数について

ヒートショックは一見すると、もしかしたらレアな現象に思われるかも知れません。新聞紙上を賑わす機会もそれほど多く無いでしょうし、テレビなどでも見ることは少ないからです。

しかし、発生件数は、実は驚くほどに多いです。年度にもよりますが、ここ数年でのヒートショックが原因と思われる入浴中の死亡事故は数万件レベルとなり、交通事故の発生件数の数倍にも膨らむのです。

そのため、ヒートショックによる事故は決して対岸の火事では無く、いつ発生するかも知れない、深刻な事態と認識することが非常に大切となるのです。

浴室乾燥暖房機の重要性

この様なヒートショックに関する状況を見て行くと、いかに温度変化を抑えることが重要かについて分かったことと思います。温度変化の防止には、やはり浴室乾燥暖房機が有効となるのです。

ですから、マイホームを新たに建てる際はもとより、中古住宅を購入する場合においても、浴室乾燥暖房機の設置は特に推奨されるのです。

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更なる安全策

ところで、ヒートショックの対策には、浴室乾燥暖房機の他にも、押さえておくべき手段があります。
ここでは、その様な方法について取り上げてみます。

脱衣所の暖房

先に挙げた、生活動線の話で「脱衣所での気温低下」を取り上げましたが、この部分での気温変化も小さくすれば、より身体に優しい住宅とすることが出来ます。

家にもよりますが、脱衣所の状態が悪いと、浴室内と同レベルに寒い場合もあります。

当然ながら、その様な場所で服を脱ぐと、身体に大きな負担が掛かります。しかし、暖房を設置するならば、そのリスクの低減が可能です。

脱衣所の暖房設備は、パーソナルユースであれば、それほど大掛かりな物でなくても良いとも思われます。脱衣所の大きさに合わせて決めましょう。

家の断熱

住宅内の温度変化は、家の断熱性能の状態によっても変わります。
例えば、断熱性の良く無い家の場合、室温はリビングなどでは快適な温度に設定されていたとしても、その気温は浴室までには影響しません。
浴室内の気温は屋外の気温の影響を受け、寒いままとなるのです。

しかし、断熱性を良くするのであれば、家屋内の気温の変化は小さくなります。と言うのも、浴室は屋外の気温の影響を受けにくくなり、寒くなりにくいからです。

そのため、家の断熱性のアップはヒートショック対策に繋がります。新築であれば、グレードの高い断熱材の設置を、中古住宅であれば、断熱リフォームの検討がおすすめです。

滑りにくい床

床を滑りにくくするのも大切です。
滑りにくい床は、一見すると、あまりヒートショックの発生原因とは関係が薄い様に見えるかも知れません。
確かに床の課題は、気温の変化とは関係が無いです。

しかし、床を滑りにくくするならば、転倒の確立の低減が可能となり、ヒートショックの二次被害とも言える事故を減らす効果が期待出来るのです。

特に、昔の在来工法の浴室の場合、多くがタイルで仕上げているために、滑りやすくて危険です。

しかし、今のユニットバスには、滑りにくい床材を採用している機種もあり、転倒事故防止に効果的と言えるのです。

浴室まわりの段差解消

ヒートショックには、ふらつきを覚える場合があります。その場合にフロア面に段差があると、やはり転倒の原因にもなりますので、可能な限りの解消が必要となります。

特に中古住宅の場合には、浴室ドアの部分に段差があるケースもあるので、ユニットバスの、バリアフリーに対応しているタイプに交換することがおすすめです。

手すりの設置

今の住宅には手すりが標準的についていますし、ユニットバスの場合には、浴槽の脇にも手すりが付いている場合が多いです。

しかし、特に昔の時代に在来工法で造った浴室の場合には、手すりが設置されているとは限りません。ですから、手すりの設置が望まれます。

手すりは確かにヒートショックの気温対策には直接的には繋がりません。
しかし、転倒防止には非常に有益な設備です。
ヒートショックの二次被害である転倒による事故を防止する意味においても、手すりは重要となるのです。

まとめ

ヒートショックの危険性や浴室乾燥暖房機の設置の重要性、そして更なる安全対策について解説しました。
冬の寒い浴室がどれだけ危険で、事故が発生し得るかについて分かったことと思います。

また、断熱性のアップなど、付帯的となる手段についても紹介しました。安全性のアップのために、役に立つと思います。
ヒートショックは人命にも関わりうる深刻な事態です。
対策をしっかり立て、安全な家作りをしましょう。

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