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家づくりの知識

憧れの新築住宅!でも今から考えておきたい10年後、20年後、30年後に必要なリフォーム箇所と予算とは

誰もが一度は憧れるであろう新築一戸建のマイホーム。
結婚や出産、子どもの入学や進学などを機に検討される方も多いのではないでしょうか。

逆に、現代の新型コロナウイルス感染症の影響により、働き方改革の一環における在宅によるテレワーク勤務も加速したこの社会。今の家では部屋数が足りなくなった、手狭に感じるといった状況の変化や、今までは休みの日以外の時間はほとんど家にいる時間も少なかったが、家の中で過ごす時間が増えたことで、賃貸では不便に感じることも多くなったなどネガティブな要素、不満から新築一戸建ての建築を検討される方も少なくないのではないでしょうか。

そういった理由から、新築一戸建てを検討する際に10年後、20年後、30年後のリフォームなんて考える必要もないのでは?またその時に考えれば済む話・・・。そんな考えの方がほとんどだと思います。
確かに新築のマイホームを建てる時に10年先のリフォームのことなど考えにくいことでもあります。将来のリフォームのことを考えながら新築一戸建てを検討する方もほとんどいないと思います。

ですが、住んでいれば建物は劣化していくので、いつか必ずメンテナンスが必要になる時がやってきます。

メンテナンスの必要性、建物を長持ちさせることは建物の価値も保つことに

建物のメンテナンスは、一定周期で必ずやってきます。
海の近くなどの建てる場所やその土地の気候などによっても周期は変わりますが、例えば同じ時期に同じ様な建物があったとします。
メンテナンスを定期的に行っている住宅とそうでないものとでは、年数を重ねれば重ねるほどに明らかです。

メンテナンスを怠れば、住宅の見た目を損ねるばかりか、耐久性や使い勝手に大きな支障が出てくるでしょう。
早め早めの計画・対応が建物の長持ちにもつながり、その際かかるコストの削減にもつながります。
屋根一つとっても、メンテナンスを怠ることで雨漏りの原因にもなり、その他の腐食など影響する箇所の修復にも時間と費用を要します。

将来家族構成の変化による自分達には広すぎる家となってしまった場合の住替えや、高齢になり子ども世帯との同居によって売却処分しなければならないなどの場合にも建物としての価値を持続させることにもつながります。

知っておきたいメンテナンスとしてのリフォームの箇所と周期

さて、メンテナンスを行う周期は、箇所によって異なります。
また、素材によっても耐久年数は違ってきますので、その箇所ごとの周期も把握しておきましょう。
屋根の葺き替えを行う間に部分改修など行うことにより、葺き替えまでの期間を延ばすこともできます。

リフォームにかかる費用は素材と施工面積によって大きく異なる

リフォームにかかる費用は外壁一つとっても、使用する外壁の素材や建物の大きさによって面積が異なるため住まいによって違いがあります。
浴室やキッチンなどの設備に関しても、リフォームを行う際、機能性も最新のものにすれば高額になってきます。
さて、ここで重要になってくることは、予めおおよその費用の相場を把握しておくことです。
自分の家の規模、広さや使われている素材など、これは新築時に受け取る資料の中に記載されているはずですので、そこから計算することができます。

屋根のメンテナンス周期

◆瓦の場合
・部分補修    5〜6年ごと
・葺き替え検討  20〜30年

◆化粧スレートの場合
・部分補修    5〜6年ごと
・塗り替え検討  7〜10年
・葺き替え検討  15〜20年

躯体のメンテナンス周期

◆土台・床組み
・補修、補修検討  20〜30年

◆梁・柱
・補修、補修検討  20〜30年

設備のメンテナンス周期

◆キッチン
・取り替え検討  10〜20年

◆浴室
・取り替え検討  10〜20年

◆トイレ
・取り替え検討  10〜20年

◆ガス給湯器
・取り替え検討  10〜15年

◆コンセントなどの電気設備
・取り替え検討  15〜20年

◆給排水管
・補修、洗浄   5〜10年ごと

建具のメンテナンス周期

◆玄関ドア
・取り替え検討  15〜20年

◆室内ドア
・取り替え検討  15〜20年

◆サッシ
・取り替え検討  15〜20年

外壁のメンテナンス周期

◆モルタル下地吹き付けの場合
・補修および塗り直し  7〜10年ごと

◆サイディングの場合
・部分補修    5〜7年ごと
・塗り替え検討  10〜15年

内装のメンテナンス周期

◆床材(フローリングの場合)
・張り替え検討  15〜20年
◆床材(カーペット)
・張り替え検討  5年〜10年

◆壁・天井(ビニールクロス)
張り替え検討   約10年程度

将来のメンテナンス費用は別の口座に分けて今後の出費予定と相談して決めましょう

貯金といっても、老後の資金や子どもの教育資金、万が一何か大きなお金が必要になった時の貯蓄など、今後の生活に必要なお金を目的別に貯めている方も多いのではないでしょうか。
将来のリフォーム費用はその中から余ったお金を貯蓄しておくと良いでしょう。
一旦全ての貯蓄額を計算して、そこから生活に必要なお金を差し引きます。そして残った最後の費用をリフォーム費用に充てておく、というくらいの優先順位で良いと思います。
建物のメンテナンスといっても毎年かかることでもありませんし、微々たる金額でも毎月積み立てることができれば大きな金額にすることが可能です。
例えば、毎月1万円の積み立てを10年続ければ120万円の積み立てが可能です。

積み立てで足りない場合は借入でのリフォームの可能

積み立てた貯蓄ではリフォーム費用が足りない場合や、できれば現金を手元に残しておきたい場合などはローンでのリフォームを検討してみましょう。

ローンを利用するメリットとしては、リフォームを行いたいけれど貯蓄額が足りない場合でもお金を支払うことができる点や、一定の条件を満たせば税金の優遇を受けることができる点です。
一方で、借入ですので、月々の支払いの必要性や利息が発生することは負担として頭に入れておきましょう。

住宅ローンとリフォームローンどちらを利用するのがお得か

リフォームにローンを利用する際、使えるローンとして有担保の「住宅ローン」と、無担保の「リフォームローン」とに分かれます。
住宅ローンは新築時や中古の住宅を購入する際にも利用するものと同じで、長期間での借入や低金利が特徴です。
無担保でのリフォームローンの場合は、借入期間も短く、金利も住宅ローンに比べて比較的高いですが、無担保ローンには、借入の際金融機関等に支払う諸費用が少なくて済むなどのメリットもあります。

住宅ローンの特徴

◆メリット
・借入期間を長期間設定できる。(最長35年)
・金利が低い
・借入限度額が多い

◆デメリット
・抵当権設定が必要
・諸費用が多い
・審査までの期間が長い

リフォームローンの特徴

◆デメリット
・抵当権設定が不要。
・諸費用が少ない
・審査までの期間が短い。

◆デメリット
・借入期間が長く設定できない。(10〜15年など)
・金利が高い。
・借入限度額が少ない。(300〜500万円など)

ローンはいくら返していけるかによって選びましょう

リフォームを利用する際に住宅ローンとリフォームローンのどちらが良いのでしょうか。重要なのは「月々いくらまでなら返していけるのか」ということです。

一見住宅ローンの方が金利も安く、長期間借入することができるなど良さそうに思えます。
ですが、同じリフォーム内容でも諸費用が多くなってしまうことで、リフォームローンと比較して総借入額も多くなってしまうケースも考えられます。
そういった理由から、月々どのくらいの支払いであれば返していけるのかという点を基準にして検討することを、ローンを選ぶ際の基準にすると良いでしょう。

お住まいの自治体によっては助成制度も

お住まいの自治体によっては、リフォーム内容によっては、助成金などの支援制度が用意されていることもあります。
例えばリフォームすることにより、各自治体に設けられた省エネやバリアフリー設計の基準に適合する場合、工事費用に応じて一定の限度額を助成金として受け取ることができます。
そのほかにも、その地域で採れる木材を利用することによる助成金など、地産地消での利用拡大なども目的とした優遇が受けられる地域もある様です。
リフォームをする際は、まずはお住まいの自治体に助成金の制度などを確認してみると良いでしょう。

まとめ

新築一戸建てのマイホームも持つにあたって、夢のマイホームとはいえ、人生の中で一番大きな買い物といっても過言ではありません。
どんな土地に、どんなマイホームを実現させようか、旦那さんは自分の書斎や趣味の部屋を作りたい、奥さんはキッチンや家事動線などを重視してどのような設備を入れようか、子どもたちは自分の部屋を持つことができることが楽しみで仕方ない、など夢を膨らませながら考える事でしょう。

そして、どの様な土地に建てるのが良いのか、どこのハウスメーカー、住宅会社に依頼して建てるのが良いのか、具体的な話になればなるほど、検討する内容も多く深まってきます。

しかし、人生で一番大きい買い物ですので、どのくらいの予算でその夢を叶えるのか、住宅ローンを利用して新築の一戸建てを建築される方がほとんどだと思います。月々の支払い落とし込んで、いくらくらいの支払いにしようか、ボーナス払いも含めて検討するのがよいのか、返済していくお金のことで頭を悩ませることもあるでしょう。

その様に、長い年月と労力を費やして実現させる夢のマイホームですから、住み始めてからの建物のメンテナンス・将来設計もこの時に行っておくことが、安心のマイホーム、新築一戸建ての生活を実現することにつながるはずです。