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家づくりの知識

戸建てリノベーションのポイント: メリットと注意点を解説

戸建てを自分の好きなようにリノベーションしたい!でも、実際に戸建てリノベーションを検討してみると、この物件であの工事ができるだろうか、何に気をつけるべきかなど、いろんな疑問が浮かんできませんか?

そこで今回は、戸建てリノベーションのメリットと注意点をわかりやすく解説します。戸建てならではのリノベーションのポイントをつかんで、リノベーションのプランニングにお役立てください。

戸建てリノベーションのメリット

新築やマンションにもよいところがたくさんあるけれど、あえて中古戸建てのリノベーションをする人が増えているのには、理由があります。たくさんのリノベーションの魅力、まずはメリットを見ていきましょう。

マンションよりも自由度が高い

自分のライフスタイルなどに合わせて、間取りや内装、水回り設備、壁や床などを自由に変更できるのが、リノベーションの大きな魅力のひとつです。

マンションでは、管理規約などによって、施工範囲や工事内容、使用できる建材などに制約がかかることがありますが、戸建てでは、基本的に自由に変えることができます。
戸建てのリノベーションでは、増築や減築で床面積を変えたり、高さを生かして吹き抜けにしたりと、その自由度がぐっとあがります。

新築物件に比べて、費用を抑えられる

中古物件は、新築物件と比べて、最終的にコストダウンが図りやすくなるのもメリットのひとつです。

とくに、建物自体の価値が下がっている築20年以上の物件は、ほぼ土地代だけで購入できることもあるので、リノベーションを前提に物件を購入する場合は、狙い目といえるでしょう。

よほど大規模な改修工事でない限り、「お手頃価格の物件+リノベーション」なら、新築物件を取得することに比べて、全体的な費用を抑えることができる可能性があります。

環境への負担が少ない

既存の建物を全て解体することはせず、活かせるものは活用するリノベーション。既存建物を解体、撤去するよりも、廃棄物を減少させることができ、資源の節約にもつながります。

つまり、リノベーションは、スクラップ&ビルドに比べて環境への負担が少なく、次世代にも引き継げるような、サステイナブルな家作りにもつながります。

歴史や思い出のある建物を長く残せる

代々受け継がれてきた歴史ある住宅や、幼い日々の思い出が残るご実家などでも、老朽化が進んだり、住人のライフスタイルと合わなくなっていたりすれば、住み続けることは難しくなります。

リノベーションであれば、設計や工事の自由度が高いので、その住宅の価値や住人の愛着に配慮した形で、住みやすく変えていくこともできるでしょう。

地など希望条件が揃いやすい

続いては、新規に住宅を取得する場合に、戸建てリノベーションをするメリットをご紹介します。

住まい選びでは、立地や建物そのものの作りなども重要な要素です。エリアや価格、間取り、デザイン、機能など、希望条件に合う新築物件に出会うのはなかなか難しいもの。

そこで、リノベーションを前提とすると、物件選びの際に、中古物件まで視野に入れることができるようになります。単純に物件数が増えるだけでなく、新築では狙いにくいような条件のエリアでも、物件が見つかるかもしれません。

さらに、間取りやデザインなどは、後からリノベーションで自由にカスタマイズできるので、物件探しの際にこだわらなくてもよくなります。

戸建でもリノベーションをするなら、選べる物件の選択肢が多くなるので、それだけ希望条件にあった住まいに出会える確率もあがるといえるでしょう。

新しく暮らす地域のことが事前にわかる

新築物件では、住んでからの周辺環境が大きく変わっていくこともよくあります。

例えば大型施設の跡地再開発などで、新しく 戸建住宅地が造られる場合など、住民の増加を見込んで、周辺に新しく施設が増えていくことがよくあります。また、新しい住民が増えることで、学校など子供たちを取り巻く環境も変わっていくことが考えられます。

一方で、中古戸建て住宅は、すでに環境変化が落ち着いたエリアを選ぶことができます。ご近所の雰囲気や他の住民の世帯構成、学校の様子、買い物環境など、暮らし始める前に知ることができます。

中古戸建てが選択肢になることで、新しい生活への不安要素、不確定要素が少ない物件を選びやすくなる、という一面もあるのです。

戸建てリノベーションの注意点

戸建てリノベーションには、よいことばかりではありません。実際に検討する場合は、デメリットにもなりうる注意点をしっかりと把握しておきましょう。

築年数だけでは判断できない劣化状態

築年数が古い物件だと、果たしてリノベーショできるのか、心配になるかもしれません。

築古の物件でも骨組み部分がしっかりしていれば、多くの場合リノベーションはできると判断されます。リノベーションができるかどうかを判断する上で、築年数も材料のひとつにはなりますが、実際には、個別の物件の状態による部分が大きいとされています。

戸建てのリノベーションを考えるなら、築年数とともにしっかりと建物の劣化状態、とくに構造体の状況をチェックすることが大切です。

床下や壁の中、屋根裏など、表面的には見えない部分でも劣化は進みますが、解体してみないと正しい状況を把握することができません。解体工事を始める前にある程度の状態を知りたい場合は、専門家の調査により建物の状況を把握できる「建物状況調査(インスペクション)」を行うのもひとつの手です。

状態によっては補強・修繕費がかさむ

かなり古い物件でも、骨組みがしっかりしていればリノベーションはできると判断されることも多いですが、建物の状態によって修繕箇所が多くなり、それなりに費用がかさんでしまうこともあります。

具体的には、まず、老朽化により活かせる部分が減るため、新しい部材を多く使うことになります。また、耐震性や断熱性、建物全体の補強など、住宅性能を確保するための補強・修繕費が追加される可能性があります。

建物の構造・工法によって異なる自由度

リノベーションは、自由度の高さがメリットとお伝えしましたが、実は、建物の構造や工法によってはできないことが出てくるかもしれません。

中古住宅取得の場合などでは、予めリノベーションをしたい物件がどの構造・工法なのか把握しておき、専門家のアドバイスを聞くことで、後悔したり落胆したりすることを回避することもできるでしょう。

戸建てには大まかに下記のような建築構造・工法があります。

  • 木造「在来工法」
  • 木造「2×4(ツーバイフォー)工法」
  • 鉄骨造
  • RC造 など

この中で、日本の住宅の多くは、「在来工法」の木造です。構造上の制約が少ないので、間取り変更など、設計やデザインの自由度は高いといえます。

その他の構造は、耐震性や耐火性などに優れているという特色はありますが、構造上、壁などの撤去や移動が難しく、工事内容に制限がある場合があります。
技術力や設計力という面で対応できる施工会社も限られますので、リノベーションしたい物件が在来工法の木造ではない場合、注意が必要です。

引き渡しまでに時間がかかる

打ち合わせや工事期間を合わせると、リノベーションにはまとまった時間が必要となります。とくにフル(全面)リノベーションとなると工事だけで数ヶ月要することもあり、入居するまでに時間がかかります。

その間、仮住まいが必要な場合もあるので、費用を含め長期的に余裕をもった計画をたてましょう。

戸建てリノベーションのポイントまとめ

最後に、注意点をふまえた戸建てリノベーションのポイントのまとめを見ていきましょう。

リノベーションをする前提で中古物件購入を視野に検討している方は、物件を選ぶ際にも気をつけたいポイントにもなります。

  • リノベーションしたい物件は、構造体(骨組み)がしっかりしているかをチェック

その他シロアリ被害、水漏れ跡、建物の歪みなどもチェックポイント。心配な場合は、「建物状況調査(インスペクション)」を行うと安心です。

  • 築古物件は、耐震性など住宅性能もチェック

骨組みだけでなく、新耐震基準に基づいているか、断熱性、気密性、省エネ性などの住宅性能も見ておきましょう。リノベーション費用に影響します。

  • 建物の構造・工法を知っておく

構造によってリノベーションの自由度が変わります。

  • リノベーション業者を見極める

リノベーションに大切なのは、物件選びだけではありません。希望するビジョンにより近く、実績豊富な施工業者を選びましょう。物件購入とリノベーションを組み合わせることを考えている場合は、物件探しからリノベーションまでを一連の流れで行うワンストップリノベーションを取り扱う会社に依頼するのもよいでしょう。

まとめ

中古物件に息を吹き込んで、生まれ変わらせることができるリノベーション。たくさんの魅力がありますが、実際に行う際は注意点を把握し、しっかり物件をチェックすることが大切です。戸建てリノベーションを検討する際は、是非参考にしてみてください。

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