家づくりは、人生における大きなイベントです。特に注文住宅を建てる場合、その基礎となるのが「地鎮祭(じちんさい)」です。地鎮祭は、工事の安全と家の繁栄を祈る伝統的な儀式であり、注文住宅を建てる際にはぜひ行っておきたいものです。
この記事では、地鎮祭の基礎知識から流れ、費用、服装、マナー、準備、さらには八王子市を含む東京エリアでの情報など、地鎮祭について知っておくべきことをわかりやすく解説します。
1. 地鎮祭とは? 注文住宅を建てる前に知っておきたい基礎知識
地鎮祭とは、注文住宅などの建物を建てる前に、その土地の神様(氏神様)に対して工事の安全と家の繁栄を祈願する儀式です。日本では古くから土地に神様が宿ると考えられており、家づくり、建築は神聖な行為とされてきました。工事を始める前に地鎮祭を行うことで、土地の神様に敬意を表し、許しを得て、工事の無事と建物の完成後の繁栄を祈願します。
神主さんにお願いして行うのが一般的ですが、近年では施主や施工会社が主体となって行う略式の地鎮祭も増えています。また、お寺(仏式)で地鎮祭を行うことも可能です。
2. 地鎮祭を行う目的 ~注文住宅の安全と繁栄を願う~
- 工事の安全祈願: 注文住宅の建築工事中の事故やトラブルがないよう、神様に安全を祈願します。
- 土地の清め: その土地を祓い清め、これから家づくりをするのにふさわしい、清浄な状態にします。
- 家の繁栄祈願: これから建つ注文住宅が末永く栄え、そこに住む家族が健康で幸せに暮らせるように祈願します。
3. 地鎮祭の流れ(一般的な例)~神主さんと行う本格的な儀式~
神社や地域、依頼する神主さんによって多少異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。
- 開式の辞: 司会者(施工会社の担当者など)が開式を宣言。
- 修祓(しゅばつ): 神主さんが、参列者やお供え物、土地を祓い清めます。
- 降神(こうしん)の儀: 神主さんが、その土地の神様をお招きします。
- 献饌(けんせん): 神主さんが、神様にお供え物(神饌:しんせん)を捧げます。
- 祝詞奏上(のりとそうじょう): 神主さんが、工事の安全と建物の繁栄を祈る祝詞を読み上げます。
- 四方祓い(しほうはらい)/切麻散米(きりぬささんまい): 土地の四隅を祓い清めます。
- 地鎮(じちん)の儀:
- 刈初め(かりそめ)の儀: 設計者が、忌鎌(いみかま)で草を刈る所作。
- 穿初め(うがちぞめ)の儀: 施主が、忌鍬(いみくわ)で砂山を掘る所作。
- 土均(つちならし)の儀/ 鎮物埋納(しずめものまいのう)の儀: 施工会社が、忌鋤(いみすき)で砂山を均す所作をし、神主さんが鎮物(しずめもの)を納めます。
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん): 参列者が玉串を神前に捧げ、二礼二拍手一礼で拝礼します。
- 撤饌(てっせん): 神主さんが、お供え物を下げます。
- 昇神(しょうしん)の儀: 神主さんが、神様をお送りします。
- 閉式の辞: 司会者が閉式を宣言。
- 神酒拝戴(しんしゅはいたい)/ 直会(なおらい): お神酒や神饌をいただき、一同で歓談します(省略されることも)。
4. 地鎮祭の費用相場 ~東京・八王子エリアの目安~
依頼する神社や地域、儀式の規模によって異なりますが、一般的には3万円~10万円程度が費用の目安です。設営(テント)を豪華にした場合は、費用が、20万円~30万円になることもあります。
- 初穂料(玉串料): 神主さんへの謝礼。2万円~5万円程度が相場ですが、神社によって定められている場合もあります。
- お供え物: 自分で用意する場合は5,000円~1万円程度、神主さんに依頼する場合は初穂料に含まれていることも。
- その他: 会場設営費(テント、椅子、竹、しめ縄などの準備・設営費用。一般的には施工会社が手配)など。
上記費用は予め、お見積り書又は資金計画書に『地鎮祭費 もしくはその他経費』として計上されているはずです。
5. 地鎮祭を行う際の注意点 ~マナーと準備~
- 日程: 大安などの吉日を選ぶのが一般的ですが、最近では、ご家族や工事関係者の都合を優先することも多いです。
- 服装:
- お客様: 基本的にスーツやフォーマルな服装が望ましいですが、平服でも問題ありません。清潔感のある服装を心がけましょう。
- 施工店側: スーツで参加する者もいますが、現場監督は作業着の場合もあります。近年では、施工会社全体として私服で参加することも多くなってきています。お客様も施工店側の服装に合わせて、私服で参加していただいても問題ありません。
- 持ち物: 初穂料(のし袋に入れて)、お供え物(自分で用意する場合)など。事前に神主さんに確認を。
- 近隣への挨拶: 地鎮祭の後、お客様と施工会社で一緒に近隣へ挨拶に伺うのが一般的です。人前に出るのが苦手な方には、施工会社が代わりに挨拶に伺うことも可能です。
- 写真撮影: 施工会社が地鎮祭の様子を写真やビデオで撮影いたします。ご家族の記念となる大切な記録です。
6. 地鎮祭は思い出作り ~注文住宅の第一歩~
地鎮祭は、家づくりの大切な節目であり、家族にとって一生の思い出となる儀式です。
7. 地鎮祭に関する Q&A ~よくある質問にお答えします~
Q1: 地鎮祭は必ず行わなければいけませんか?
A1: 必須ではありませんが、工事の安全や家の繁栄を祈願する大切な儀式であり、注文住宅の家づくりの節目として、多くの方が地鎮祭を行っています。
Q2: 地鎮祭は仏式でも行えますか?
A2: はい、行えます。お寺の住職さんに依頼し、読経や焼香などが行われます。
Q3: 雨天の場合、地鎮祭は中止になりますか?
A3: 小雨程度であれば、テントを設営して行います。荒天の場合は、日程を延期することもあります。
Q4: 地鎮祭の時間はどれくらいかかりますか?
A4: 準備から片付けまで含めて、1時間~1時間半程度が目安です。
Q5: 地鎮祭で「鎮物(しずめもの)」とは何ですか?
A5: 土地の神様を鎮め、工事の安全と建物の繁栄を祈願するために地中に埋めるものです。神社で用意され、地鎮祭の儀式の中で神主様によって納められます。通常、地鎮祭の後に、基礎工事の際に建物の中心付近に施工会社が埋納します。(多くの場合、コンクリートと一緒に埋められます。)また、上棟式(じょうとうしき)の際には、別の鎮物(棟札:むなふだ等)を建物の高い場所(小屋裏など)に納めることがあります。
Q6:手ぶらで参加していいですか?
A6:初穂料をのし付きの封筒に入れて持ってきてください。(コンビニで購入できます) 帰りに荷物を持って帰ることになりますので、袋を持参されるか、お車で来られることをお勧めいたします。(お供えのお酒『一升瓶』を持ち帰る可能性があります)

当社は、23区を除いた東京都(八王子市から半径20キロメートル程度の範囲)で、新築の注文住宅とリノベーションを手掛けています。自然素材をアクセントに取り入れた、温かみのあるデザイン住宅を得意としています。
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MyDesign/株式会社Izumida 泉田 啓一
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新築では地鎮祭は必須?地鎮祭の目的と、しない場合の理由 2024/5/05
新築で地鎮祭をしない?意味や選択肢、簡略化も解説 2024/11/03
過去にも、同様のブログを書いておりますが、今回が最新版です。