「階下の方から『天井から水が漏れている』と連絡が…」 「原因を調べたら、壁や床下の給湯管からだった…」
マンションで起こる水漏れ事故は、いつ我が身に降りかかるか分からない深刻な問題です。特に、築20年以上経過したマンションにお住まいの方や、中古マンションの購入を検討している方は注意が必要です。
今回は、その水漏れの大きな原因の一つである「給湯管のピンホール」と、リノベーションを行う際に知っておくべき配管のチェックポイントについて解説します。
見えない水漏れの犯人「銅管のピンホール」
かつて、多くのマンションの給湯管には「銅管」が使われていました。銅管は殺菌作用があるなどメリットも多いのですが、長年使用するうちに、お湯が流れる刺激で管の内側が少しずつ削られ、針で刺したような小さな穴が開いてしまうことがあります。
これが「ピンホール」現象です。
この現象の恐ろしい点は、いきなり破裂するのではなく、ジワジワと水が漏れ出すことにあります。そのため、すぐに発見することが非常に難しいのです。
最も厄介なケース:躯体の中を通る給湯管
特に注意が必要なのは、バルコニーや玄関脇に給湯器が設置されているタイプのマンションです。
この場合、給湯器からお風呂やキッチンまで、給湯管がマンションの構造体であるコンクリート(躯体)の中を貫通して配管されていることがほとんどです。
もし、このコンクリートの中でピンホールが発生したらどうなるでしょうか?
漏れ出た水は壁や床の内部を静かに濡らし続け、発見したときには、 ・下の階の天井にシミができている ・壁紙の裏にカビが大量発生している ・コンクリートが傷み、建物の強度に影響が出ている といった、深刻な事態になっている可能性があります。簡単に見ることができない場所だからこそ、リスクは大きいのです。

リノベーション時の重要チェックポイント!配管はどうする?
デザインや間取りの変更に目が行きがちなリノベーションですが、このような中古マンションでは、まず配管の状態を確認することが絶対に不可欠です。
その上で、既存の配管をどう扱うか、選択を迫られます。
選択肢1:既存管を「切り回し」て再利用する 古い配管の一部を残し、新しい設備に接続する方法です。工事は比較的簡単でコストも抑えられますが、壁やコンクリートの中に「いつ水漏れするか分からない爆弾」を残したままにするのと同じです。数年後に結局水漏れが発生し、再工事が必要になるリスクを伴います。
選択肢2:新しい管で「バイパス配管」する これが最も安心できる方法です。
まず大前提として、コンクリート(躯体)の中に埋設されている古い銅管を、物理的に抜き取って交換することはできません。
そのため、ここでの「配管更新」とは、古い管は使わないようにして躯体内にそのまま残置(放棄)し、全く別の新しいルートで配管し直す『バイパス工事』のことを指します。
新しい配管には、現在主流で長寿命(耐用年数30年以上)の「樹脂管」を使い、壁や天井裏など、将来メンテナンスしやすい場所に設置します。これにより、将来のピンホールによる水漏れリスクを根本から解消することができます。
物件の構造上、このバイパス工事が可能かどうかは専門的な判断が必要ですが、資産価値を維持するためにも、まず検討すべき最善の策です。
まとめ:見えない部分にこそプロの視点を
リノベーションやリフォームは、見た目を新しくするだけでなく、建物の性能を維持・向上させる絶好の機会です。
「このマンションは配管の更新ができる構造だろうか?」 「見えない部分のリスクまでちゃんと説明してくれるだろうか?」
業者選びの際は、デザインの提案力はもちろんのこと、こうした建物の構造や隠れたリスクまで見抜いて、最適な提案をしてくれる会社を選ぶことが、後悔しないリノベーションの鍵となります。
弊社では、作り手の視点を活かし、3Dパースなどを用いて完成イメージを共有するだけでなく、このような目に見えない部分のリスクについても丁寧にご説明し、お客様の資産価値を守る長期的な視点でのリノベーションをご提案しています。
中古マンションのリノベーションをご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。
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