第1話 成年後見制度 (宅地建物取引士 奈々美の奮闘記)

短編小説
「おはようございます」  ここは東京都八王子市 勤務する『不動産ステーション』に出社した若葉奈々美は、いつものように元気よく挨拶する。けれどオフィス内は静かで、なんの返事も聞こえてこない。まだ誰も出社していなかったのだ。…

第2話 新築放火 (宅地建物取引士 奈々美の奮闘記)

短編小説
夜中に消防車のけたたましいサイレンの音がすると、自然と目がさめてしまう。若葉奈々美はベッドから抜け出し、ベランダに出て外の様子を窺った。 「あれぇ、近いな」 勤務する『不動産ステーション』の自社物件マンション5階で、奈々…

第3話 アパート建築 (宅地建物取引士 奈々美の奮闘記)

短編小説
入院していた田中さんが退院してきた。タクシーから荷物を手にして降りてきている。チラシ配りをしていた若葉奈々美は、すぐに笑顔で声を掛けた。 「退院されたんですね。よかったですね」 「ああ、あんたか……留守中、勝手に住み着い…

第4話 失敗・・・ 宅地建物取引士 奈々美の奮闘記

短編小説
若葉奈々美はスマホの画面を見ながら、数日前の楽しい山歩きを思い出していた。いつもは勤務する『不動産ステーション』で、宅地建物取引士として忙しく働いている。大好きな山歩きには、休日のたびに出かけたいと思うが、なかなか行けな…

第5話 事故物件 (宅地建物取引士奈々美の奮闘記)

短編小説
久しぶりに山歩きができて、休日明けの出社の足取りも軽い。登ったのは近場の高尾山だったが、若葉奈々美はそれで十分満足していた。 「この前は富士山登ったし、次はどこにしようかな。あっ、筑波山なんてどうだろう。無事にカエルツア…