column

家づくりの知識

「中二階のある家は住みやすい!」 メリットが豊富な中二階構造の住宅のメリットやポイントを解説

中二階 スキップフロア 株式会社Izumida

みなさんは「中二階構造の住宅」と言うのを聞いた事があるでしょうか。中には「スキップフロアー」と呼ばれる場合もあります。ミサワホームでは「蔵」と呼び商品ラインナップをしています。今回住宅を建築する上で是非とも検討したい「中二階構造」の住宅について詳しく解説していきます。

中二階構造とは

中二階構造とは2階へ行く中間などに空間を作り狭い敷地でも有効に使えるようにする間取りです。「1.5階」や「スキップフロアー」とも呼ばれ近年注目されている建て方になります。中二階として作る場所は2階への階段の途中だけでなく、地階や小屋裏などにも対応可能ですので汎用性も非常に高い建物になります。

用途は色々と作る事ができ、収納やホビールームなどに多用する事ができますのでメリットが数多くある便利な建物と言えるでしょう。但し中二階部分の構造により高さの制限や広さの制限があるためできるだけ3次元で立体的に間取りを把握する必要がありますので注意しましょう。

中二階構造の6つのメリット

中二階構造はデザイン性や機能性が非常に優れており、実生活でも家族団らんがし易い構造になってきます。その分設計に関しては難しい部分などもありますので経験豊富な設計士を付けてもらうことをおすすめします。経験が少ないと思わぬところでトラブルになりかねません。

中二階構造の用途は色々とあり収納スペースやキッチン、ホビールーム、書斎。スタディルーム、ファミリースペースなど様々です。中には中二階という構造を活かしてランドリースペースとして利用する方も多いようです。このように非常に便利な中二階構造のメリットを大まかに6つに分けて解説していきます。

メリット1・開放感に溢れる空間が作れる

中二階構造の場合多くはリビングに接している階段部分に作るケースが多くあるようです。通常階段部分は閉鎖的な空間になりやすいと言えます。しかし中二階構造とする事でリビング空間をお洒落に演出し開放感を満喫することができます。また中二階構造はリビング内のアクセントとしてデザイン性も非常に高くなるでしょう。

天井の高さも自由に調整できますので子供の勉強スペースとして利用すればいつでも家族団らんができる開放的なリビング空間になるのです。リビング階段を検討している場合は採用したいひとつの工法と言えますので色々な間取りを参考にしてみてください。

メリット2・日当たり・風通しが優れている

階段部分は住宅設計をする上で非常に厄介な場所です。貴重なスペースは取られてしまうし、密閉度も高く換気や日当たりが悪い場所になりがちです。また掃除の目が届かない場所とも言えるでしょう。しかし、中二階構造にすると必然的に階段部分の空間が広がり、日が当たる面積も増えます。またリビング等と一体型となる為風通しも良くなります。

そのため間取りによってはランドリールームとする場合もあるようです。その他開放的になることによりホコリなども分かりやすいため必然的に掃除をするようになります。このように「一番厄介」な階段部分を「健康的な空間」にしてくれるのが中二階構造と言えます。

メリット3・収納スペースが豊富に作れる

住宅の設計をする上で収納スペースも注目するポイントのひとつです。限りある広さの中でリビングに収納を多くすればリビング空間は狭くなり開放的になりません。また1階や2階に納戸などを作ってしまうと建物の形が変形しコストが割高になってしまいます。

しかし、中二階構造であれば中二階部分の階下に広々とした収納スペースが作れるようになります。広さとしては3畳から4畳位は確保できるスペースとなるでしょう。高さは建築基準法により1.4mと制限される場合もありますので注意してください。このような収納スペースは小屋裏収納や地下にも作る事が出来るため非常に重宝できると言えます。

メリット4・「タテ空間」を有効に使える

広さに限りがある間取りの場合は上手く「タテ空間」を利用して互い違いに中二階構造を使用すれば広々としたダイニングキッチンやリビングを作る事が可能になります。二世帯住宅を建築する場合は敷地が狭くても対応できる構造と言えます。また「タテ空間」を利用しているので吹抜けなどができて非常に開放感のあるLDKの配置が可能になります。

この上下の「タテ空間」の利用は中二階構造ならではの工法と言えるでしょう。但し間取りによっては3階建てとみなされる場合もありますので設計士の方とよく打合せしましょう。

メリット5・使用用途が豊富にできる

設計打合せをしていると3LDKの間取り以外に欲しい部屋が必ず一つや二つ出てくることが多く見受けられます。子供の勉強スペース、趣味の部屋、ペットルーム、ゲストルーム、ランドリールーム、大きなシューズクロークなど色々と出てきます。そのような要望に中二階構造は応えてくれます。「6畳まで必要はないけれど3畳から4畳位のスペースが欲しい」と言う場合に階段部分を利用して作れる中二階構造ピッタリと言えるでしょう。

また階段の途中にスペースを広くとる事でバリアフリーや転落防止にもなり高齢者にも非常に優しい間取りになると言えます。2世帯住宅を検討している方は是非中二階構造も検討してみてください。

メリット6・高低差の土地に有効

高低差がある敷地で「少しでも敷地を有効活用したい」と考える方は非常に多いでしょう。中二階構造はこのような要望にも対応できます。通常高低差がある敷地に建築する場合は建物がどうしても狭くなりがちです。

また敷地の低い場所や高い場所を造成して敷地を広げる場合には土留めなどの高額な費用がかかってしまいます。しかし中二階構造は敷地に合わせて間取りを作れるので低予算で敷地を有効活用できます。この場合は中二階構造とは呼ばずにスキップフロアーと呼ぶケースが多いようです。別荘地などの傾斜地でも充分対応できる構造になっていますので傾斜地などで間取りを考える際には是非取り入れたい構造と言えるでしょう。

土地探しからお手伝いさせていただきます。

なぜ、大手のハウスメーカーではなく地元工務店の方が得意なのか?

中二階構造は非常に便利で魅力的なプランですが設計能力も非常に問われます。大手のハウスメーカーの場合経験の浅い設計士が担当する事も多く中二階構造に不慣れな場合も多くあるようです。また、大手ハウスメーカーの場合は規格住宅が多いこともあり標準的な間取りを崩してしまうとコストなどが非常に割高になってしまいます。現場監督も経験が浅い担当だと気づかない点が多発してしまいクレームになり易い事が多くあるようです。

一方工務店の場合は経験豊富な担当が少数精鋭でいることもあり、特殊な構造の物件にも柔軟に対応できるのです。また工務店は規格住宅が少なく注文建築に特化している場合が多いので関連業者も特殊構造に柔軟に対応できるのです。但し中二階構造の場合デザイン性や使い勝手も重視するため工務店の設計士のセンスにも注意したいところです。

中二階の家の暮らしやすさ

数年前までの間取りはプライベート性重視の間取りが非常に多くありました。玄関を入ったらすぐに階段があり、リビングやキッチンを通らずに自分の部屋に行ける間取りが多くありました。このため子供が家に帰ってきたかも分からずにいる両親が多く、子供の非行や社会問題となっているニートが生まれてしまった原因となっている事は否定できないと言えます。

しかし近年その教訓を活かし間取りの重要性として挙げられるのは「家族団らん」が非常に多くなっています。中二階構造の多くはリビング階段が多く子供が家に帰ると必ず家族と顔を合わせるようになっています。また開放的な空間が多くなり気持ちもリラックスできます。このようなことから中二階構造の住宅とは「家族のつながり」を大事する暮らしやすい住宅と言えるでしょう。

ミサワホームの蔵との違いは?

中二階構造を規格化している大手ハウスメーカーもあります。それは「蔵のある家」をキャッチコピーとしているミサワホームです。ミサワホームの「蔵のある家」のシリーズは非常に魅力的でしょう。

しかし、規格住宅がメインのため間取りの制約も多くあるようです。中二階の考え方は基本的に同様ですが大手ハウスメーカーですので規格外の中二階構造の対応はコストアップになりやすいようです。中二階部分の要望があればできるだけ細かくまとめておき大手ハウスメーカーだけでなく工務店やデザイン事務所にも設計を頼んでみるのも良いでしょう。

中二階の家の気になる価格は?

中二階の家の価格はどうでしょうか。基本的に中二階部分と見なされる部分に関しては建物の床面積に算入されません。それゆえに「坪単価いくら?」という疑問についても分かり辛くなっているのが現状です。ポイントとして考える部分は床面積でなく工事面積で考えるようにしましょう。工事面積は実際に工事する範囲を示した数字になりますのでこの数字で坪単価を割り出すのも良いと言えます。

中二階の場合の価格はやはり多少割高になると言えます。坪あたり100万円~150万円前後でしょう。これに特殊手摺やカウンターなどの施工費や材料代が加算されますので、余裕を持って考えておきたいところです。しかし、中二階の用途によっては割安に済む場合もありますので見積金額の内容と仕様をよくチェックしてください。

注意する点

スキップフロアー(中2階)は、主に、階段周りに設けることが多い為、階段周りの面積を多く消費してしまいます。その為、スキップフロアー(中2階)を造ったことで、LDKが狭くなることが多い傾向にあります。何かを得ようとすると、何かを諦めることになるのはごく一般的な理屈ですので、ご自身のライフスタイルに合っているのか?のジャッジは必要です。

まとめ

最後まで読んで頂きありがとうございます。中二階構造の住宅の魅力が伝われば幸いです。なかなか中二階(スキップフロア)のある家を建築できる工務店や、それを設計できる建築士が少ないように感じます。

中二階構造は利便性や暮らしやすさ、健康的な点が魅力的な住宅の構造です。また「家族のつながり」を大事にする住宅だという事も言えます。しかしコストや法律・構造など決め事が沢山あるため簡単に作る事はできません。まずは、どんな建物にしたいかをお聞かせください。当社が最適なプランをご提案いたします。