特に大きいのが企業によるテレワークの導入の加速化です。これは2020年の半ばに始まった動きと言えますが、その動きは加速的に広まっていて、それを契機に地方に移り住む人も出て来ています。
しかし、地方移住はそんなに簡単な話ではありません。
仮に下準備をしないで行くならば、想定外の苦労を強いられることにもなりかねません。
それでは、これから地方に移り住むためには、どの様な点についてチェックすれば良いのでしょうか。
ここでは、地方に移住するためにチェックしておきたい点について、代表的な物にスポットを当てて紹介します。
仕事に関する項目
まず考えたいのは仕事に関する項目です。
いくらテレワークとは言っても、会社から独立する訳ではありません。会社に属しながら上手に仕事が出来る環境にするのがポイントとなります。
通勤が可能かどうか
まず考えるべきなのは「通勤が可能かどうか」です。
テレワークによって、会社から離れた自宅で仕事は可能となりますが、それでも通勤がゼロと言う訳にはなかなか行きません。機会は少なくなるにしても、やはり通勤は必要です。
そのため、地方に移住してテレワーク就労になった場合も、やはり通勤についても考えておくべきです。
仮に通勤を考えずに住居を考えるならば、急用が発生した場合には対応が出来なくなってしまいます。
急な出勤要請に対しても準備しておくことが大切です。
会社に行くのに実際にどれくらいの時間が掛かるかについて、詳細に確認しておきましょう。
交通インフラはどうか
地方の交通インフラは都市部と同じ様には行きません。
地下鉄を少し乗り継げば主要駅に行ける訳では無く、バスを使ったり支線を利用する必要も出て来ます。
また、電車やバスのダイヤも都市部とは違い、待ち時間無しで乗れるとは限りません。
ですから、移住する場合には、自宅近辺の交通インフラを確認しておくことが大切です。
電車やバスの路線と、ダイヤなどについても調べておくのがおすすめです。
宅配便関連
仕事をする上では宅配便などがスムーズに出来るかも重要な要素です。
テレワークの導入で多くのドキュメントがネット経由で伝達される様にはなりましたが、まだまだ全部の文書を電子化する訳には行きません。
また、仕事の上でやり取りするのは資料やデータだけではありません。
物品のサンプルなどの配送もあるのです。
特に、メーカーなどでは部品や素材などの現物をサンプルとして送る必要も出て来ますので、宅配便は欠かせません。
ですから、地方に移住する場合には宅配便をスムーズに使えるかの確認が必要です。
宅配便や郵便局、そしてコンビニなどの位置をあらかじめ調べておきましょう。
住居に関すること
移住するとなったら、移住先の住宅をどうするかが大きな課題となります。
賃貸か購入か
住宅を賃貸とするか購入するかは大きな課題となります
。全体の費用の動きを考えるのであれば、借りるよりも買う方が得をする場合があるからです。
また、中古住宅を購入してリノベーションをする手段もあります。
その場合には、新築並みの生活空間と便利さを実現出来ます。
住宅の手配は全体の費用を考えて決めるべきです。
家賃やローンについても研究して決めましょう。
築年数なども知っておきたい
生活する家の築年数を知っておくことも重要です。
建物の性能が築年数によって違うこともあるからです。
例えば、耐震性に関しては1981年に耐震基準が変わっているので、建物の性能を知る上での手掛かりとなります。
また、住宅設備の多くは耐用年数を10年としているので、設備の交換が必要な時期などについても築年数から検討することも出来ます。
立地条件
住居を決める時は立地条件についても気を付けるべきです。
仮に購入して住む場合には、立地条件によって地価が変わりますし、税金も違って来ます。
また、不動産を売却する場合を考えても、土地の条件を知っておくべきです。
設備について
住宅設備の仕様についても検討が必要です。
例えば、中古住宅をリノベーションして住む場合、設備は予算とスペックをトータルで考えて決めるべきです。
仮に予算の検討が足りない場合にはローンの負担が重くなる可能性もありますし、スペックの考慮が不足しているならば、利便性が落ちてしまいます。
設備を決めるときは、あくまでもトータルで考えましょう。
自治体に関する項目
移住先の自治体についても知っておく必要があります。
自治体や街に関して
自治体のアウトラインを知っておくことも大切です。
街の規模や文化、そして歴史などを知っておけば、様々な場面で役に立ちます。
それらの知識が役に立つ場面は、もしかしたら近所付き合いの様なレベルかも知れません。
しかし、実はその「近所付き合い」が日常生活の上で重要な場合もあります。
ちなみに、地域によっては町内会の活動の盛んな場合もありますので、地域を知っておくことも必要になります。
ハザードマップ
ハザードマップに関しても確認が必要です。
地震や水害など、自然災害は様々なので逃げる場所を知っておくことが大切です。
特に、最近はゲリラ豪雨が多発していますので、水害の発生状況なども知っておく方がベターです。
犯罪発生情報
今は犯罪が多発する社会であり、地方であっても油断すべきではありません。その地域の治安にも注意を払うべきです。
地方都市であっても、中心部は危険な場合があります。
地域の犯罪発生情報は、生活する場所を決める上でも非常に重要となります。
しっかりと確認した上で生活拠点を決めましょう。
日常に関する項目
移住する際には、日常生活を送る上で知っておくべきこともあります。
代表的な物として、以下のことがあります。
学校・幼稚園・保育園
子供が居る世帯であれば、子供の教育に関して気になるところだと思います。
その場合には学校や幼稚園、保育園について確認しておくことが大切です。
特に、地方の場合だと、学校などの教育機関が家から近いとは限りません。位置関係に関しても確認しおくべきです。
また、幼稚園などの場合にはバスでの送迎をしているところも多いので、バスの利用の可否も確認しておきましょう。
子供の遊び場
子供の遊び場の確認も大切です。
地方に行けば自然が豊かな場所が豊富で、子供の遊び場に困らないと思うかも知れません。
しかし、自然がいっぱいと言うことは、それだけ危険な場所があると言うことでもあります。
例えば、河川などでは入っていけない場所もあります。
子供と生活する場合には知っておかなければならないので、あらかじめ調べておきましょう。
病院の位置
病院の位置も知っておかなければなりません。
特に、持病がある人の場合には、それに対応出来る病院を知っておく必要があります。
病院の位置と、その病院にどの様な診療科があるかについて知っておくことは、非常に大切です。
商業施設の位置
ショッピングセンターやスーパーなどの商業施設は、毎日の生活を送る上で欠かせません。
ですから、移住する場合には商業施設が近くにあるかを確認しましょう。
尚、大きな商業施設も重要なのですが、家の近くに一軒でもコンビニエンスストアがあれば、ちょっとした買い物はそこで済ませることが出来ますので、便利さが違います。
ライフラインについて
電気・ガス・水道・通信といったライフラインについて、あらかじめ確認しておくことも大切です。
例えば、テレワークを前提として移住するならば、入居する家の電力は十分にあるか、光ファイバーなどの通信インフラが通っているかが大きなカギとなります。
また、日常生活を考えるならば、ガスは都市ガスかプロパンか、トイレは下水道のタイプか浄化槽式かなどについて知っておく方がベターです。
日常の足には何が必要か
都市部で生活していると、電車やバスが発達していることもあるために、「日常の足」としては自転車やバイク程度で済むかも知れません。
しかし、地方に行くとそれだけでは足りなくなることも多いです。いわゆる買い物車も必要となる場合があるのです。
当然ながら、2台目の車を持つとなると、それなりの維持費用が掛かりますし、車庫スペースなども必要となります。
また、これからを見据えると、電気自動車の導入も考えなければなりません。
経済に関する項目
経済的な知識も移住には不可欠です。
この知識の有無によって、生活そのものまで変わります。
チェックを忘れると意外に大きな費用をもらい損なうことになるので、しっかりと確認をしておきましょう。
地方移住支援金について
地方においては、特に都市部からの移住を歓迎してくれて、支援金まで出してくれる制度があります。
上手に使えば100万円を超える費用が降りるケースもあるので、使わない手はありません。
ただし、この制度は自治体単位によって変わるので、居住先に確認する必要があります。
テレワーク移住支援金
政府は2021年度から、テレワークで地方に移住した際に最大で100万円を交付する制度を検討しています。また、地方でIT関連の事業を立ち上げた場合には300万円の費用をする制度も併せて検討中です。
ただし、これはまだ確定では無いので、今後の動向が注目されます。
生活支援
自治体にもよりますが、通勤補助や子育て補助などの制度を持ってるところもあります。
上手く活用すれば生活にも余裕が出ますので、チェックは忘れずにしたい物です。
まとめ
コロナの問題の終息は見えていません。
ですから、テレワークの広がりを背景とした地方への移住は、これからも増え続けるとも考えられます。
知らない土地での生活はエネルギーがいりますが、移住する前の情報収集の状況によって、生活の質までがずいぶん変わって来ます。
十分に下調べをして、より良い地方生活を手に入れましょう。