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家づくりの知識

失敗から学ぼう!中古住宅のすすめ

マイホーム購入は一旦契約してしまうと、後戻りは効きません。
そのため、十分な事前準備が必要です。
しかし、どんなに準備をしたとしても、漏れが発生してしまうケースもあります。

それは、現地確認が比較的容易である中古住宅においても同じで、やはりパーフェクトな確認は難しいです。

それでは、漏れを無くする手段は無いのでしょうか。
実はあります。
「失敗から学ぶこと」です。

確かにネットの情報では「メリット・デメリット」といった情報は簡単に見つかりますが、「デメリットを踏んだために陥ってしまった『失敗』にまで及んだ情報」は案外少ないからです。

そこで、ここでは中古住宅を購入した場合の失敗例を取り上げてみたいと思います。

MyDesignリノベstudio株式会社Izumida

中古住宅購入について改めて考えてみる

まずは、失敗例の話の前に、中古住宅の魅力と問題点を取り上げます。
その上で中古住宅を買うべきかについて再考してみましょう。

中古住宅の魅力

まず、中古住宅の魅力について挙げてみましょう。
中古住宅の魅力は何と言っても取得コストを抑えられる点です。

特に都内など、住宅価格の高騰している地域においては、新築と中古の価格は如実になります。
そのため、中古住宅を購入するならば、住宅ローンの毎月の負担が非常に楽になります。

また、現地を確認してから購入出来る点も魅力です。
そして、資産価値が高く無いため、固定資産税なども安くなります。

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中古住宅の問題点

次に、中古住宅の問題点について考えてみます。
中古住宅は構造、設備共に古いのが難点と言えます。

そのため、暮らし心地が今の住宅程良く無い場合があります。
住宅建材の進化は非常に早く、生活をより便利にしています。
その恩恵から中古住宅は外れる可能性があり得るのです。

また、構造面の古さは、耐震性などの点に弱点が見えて来ます。
と言うのも、耐震基準は昔と今とでは異なり、昔の建物は今の物よりも強度が劣る可能性があるからです。

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中古住宅は取得すべきか

それでは、中古住宅は取得すべきなのでしょうか。
それとも敬遠すべきなのでしょうか。

結論を言うならば、「取得すべき」です。と言うのも、ほとんどのデメリットはリフォームで状態を良くすることが可能だからです。

今の住宅リフォーム技術の水準は非常に高く、住宅のあらゆる部分の改修が可能です。設備の他にも、壁、天井、そして基礎部分に至るまで出来るのです。

そして、そのリフォーム費用を出したとしても、取得のトータルコストを下げることが可能なのです。

土地・建物に関係する失敗例

さて、冒頭にも述べました様に、住宅取得の成功のためには、失敗事例を知ることが大切です。
それでは、土地・建物に関係する失敗例には、どの様な物があるのでしょうか。

部材の腐食

まず挙げられるのが部材の腐食です。
注意しなければ、腐食の進んだ物件を購入してしまうケースがあります。

腐食の問題は、天井裏や床下に潜ってみなければ分からない場合が多いので、通常の内覧では見落とされることが多いです。

部材の腐食は状況によっては建物の強度を落してしまうことがあり、本来であれば耐えられるレベルの地震や台風で破損してしまうこともあります。

ですから、購入前には、住宅の確認を良くしておかなければなりません。

シロアリの被害

シロアリの問題も厄介です。
シロアリ被害も内覧では見えないため、誤って購入してしまうケースもあります。

シロアリは木造住宅の様々な部分を食い荒らし、部材をスカスカにしてしまいます。
当然ながら、シロアリに食われた部材は強度を落とします。そのため、状態によっては建物強度も落ちてしまい、台風や地震などの自然災害に弱くなる場合もあるのです。

ちなみに、シロアリ被害に合うのは木造住宅だけではありません。
プレハブ系の住宅であっても、構造部分以外のところに木を利用しているケースもあるため、油断は出来ないのです。

害虫の発生

害虫はシロアリだけではありません。
他にも様々な害虫が存在するため、良く確認をしないと失敗をしてしまうこともあるのです。

害虫発生による失敗は、衛生の面でマズい問題と、安全の面での問題があります。
前者で言えば、良い例がゴキブリです。
特に、中古の状態でメンテナンスが不十分で無い場合に発生し得ます。

そして、後者であればハチの巣が家の中に出来ているケースがあります。
特にスズメバチなどの巣が作られている場合は非常に厄介で、駆逐にも業者を呼ばなければなりません。

地盤沈下

地盤沈下は非常にゆっくりと進むことがあるため、購入の際には分からない場合もあり、後で問題が発覚するケースがあります。

それは中古住宅であっても条件は意外に似ていて、例えば築浅の物件を購入した後で、不具合に気が付くケースがあります。

尚、地盤沈下の問題は地震を契機に発生することもあります。
良い例が液状化の現象で、発生の予測が難しい、非常に厄介な話です。

実は違法建築だった

中古住宅には増築をしている物件もあります。
この増築が法的にクリア出来ているのならば、特に問題にはなりません。

しかし、時に、この増築が違法建築であることが、購入後に分かるケースがあります。
また、家の中が改造されていて、違法建築になっている場合もあります。

これは本来であれば物置の様に使われるスペースが、居室として使われる様になるケースが当てはまります。

尚、これらの物件は住みやすく改造されているケースが多いので、少し見ただけでは違法性に気が付くことよりも、物件の便利さに目を取られることも多く、一層の注意が必要です。

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周辺地域に関係する失敗

物件購入の失敗は、土地や建物の問題のみとは限りません。
周辺地域に起因する失敗もあるのです。

悪臭

環境要因の不具合の代表例の1つに、悪臭の問題があります。
この問題は1回の現地確認では分からないケースもあるため、難しく、購入失敗に繋がる要因ともなります。

悪臭はいつも漂って来るケースと、時間帯や風向きによって問題となるケースがあります。そのため、予測が簡単ではありません。

また、ゴミ処理場などの施設は「悪臭の発生源」と地図上で分かいますが、分かりにくいところも、やはりあります。

例えば焼き鳥屋やウナギ屋です。
これらの店は香ばしい香りと思えるかも知れません。
しかし、毎日ニオイが続くのであれば、引っ越した後になって「こんなはずでは…」と言う事態にもなり得るのです。

騒音

騒音も厄介な問題です。
と言うのも、騒音は意外なところから来る場合があるからです。
そのため、騒音のために購入を失敗したと感じる人も多くいます。

騒音は道路や鉄道、そして工業地帯などから来ることが多いです。しかし、他の場合もあります。

例えば、学校が近いと子供たちの騒ぐ声や、授業の始まりと終わりに聞こえるチャイムの音が耳障りになるかも知れません。
また、中学校や高校の近くになると、生徒たちが部活で大声を出している場合もあり得ます。

「明るさ」は多くの人に好まれ、不動産を選ぶときにも人気が出ますが、仮に明る過ぎると問題が出て来ます。

ですから、光の問題を考えないで購入すると、「こんなはずでは無かった…」と思う場合もあり得ます。

例えば、近くに公園などがあると、環境的に良い様にも思えます。
しかし公園設置の街灯の光がまぶしく感じて、しかも一晩中続くのであれば、それは立派な問題にもなり得ます。

この問題は、通常であればメリットと思える点が、時間帯によってはデメリットに転じてしまうので、購入計画時には見落としがちな問題と言えます。

猫などの小動物

猫などの小動物が近くに「居過ぎる」のも大きな問題です。
と言うのも、これらの小動物の糞が衛生上の問題を引き起こすからです。

また、糞の問題はハエなどの害虫の発生にも起因します。と言うのも、糞にハエが卵を産み付け、そこからハエが来るからです。

ちなみに、小動物の生態は地図などでは分かりません。
実に厄介な問題と言えます。

空き家など

空き家も地図などで見つけにくいので、困った問題と言えます。
注意しないで物件を購入してしまうと、近隣の空き家のために、嫌な思いをすることもあるのです。

「空き家」と聞くと、大した問題に思えないかも知れません。
しかし、空き家は猫などの小動物が居つくことがあります。
そのため、その空き家からハエなどの害虫が発生し得るため、問題になり得るのです。

カルト宗教施設などの存在

自宅近辺に寺社が建っていることを問題にする人は、あまり居ないと思います。
確かに早朝に鐘を突く寺もあるので、その場合は騒音と感じるかも知れませんが、恐らくレアなケースです。

しかし、自宅近くにカルト宗教の施設やアジトなどがあった場合には、結構多くの人が良い顔をしないことと思います。
しかも、その様な施設は、地図の上には掲載されないケースもあります。

そのため、購入した後で施設の存在に気が付き、「こんなはずでは無かった」…と言うことになるのです。

迷惑な住人が近くにいる

稀かも知れませんが、購入した家の近所に迷惑な住民が住んでいることがあり、購入後に後悔することがあります。
例えば、深夜にまで宴会騒ぎをしている家などです。

当然ながら、この様な不具合に関しては、情報ソースがまずありません。
何とも言えない「貧乏くじ」です。

失敗を避けるためには

それでは、失敗を避ける方法は無いのでしょうか。
基本的には、持ち得る限りの情報入手の手段を駆使することとなります。

ただ、これを1回で終わらせるべきではありません。
調査の対象に関しては複数回のチェックが必要となります。
具体的な情報収集の手段は、以下の物が挙げられます。

  • ・購入の際の重要事項説明
  • ・ホームインスペクションの利用
  • ・耐震診断の利用
  • ・現地の確認(複数回が望ましい)

まとめ

不動産取得の失敗例を挙げて来ましたが「こんな失敗があるのか」と思った方も多いことと思います。

ただ、冒頭にも取り上げた通り、失敗から学ぶことは非常に多いです。
単なる情報収集以上に、ある種の迫力を持つ、この様な失敗例は大きな説得力を持ちます。

住宅取得は一回勝負です。失敗事例から学び、より良い住宅を取得しましょう。