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家づくりの知識

日本一わかりやすい!断熱材の種類や特徴について

断熱材リフォーム

住宅に求められる性能には様々な物があります。
例えば、耐震性や防犯性など、快適な生活を送る上で、住宅の性能は欠かせません。

安全で安心した生活を送るためには、住宅の各性能が高くあるべきなのです。
そして、住宅の「断熱性」も、その内の1つで、やはり大切な性能です。

さて、住宅の断熱性は、壁などに入れられる断熱材によって決まりますが、実際の断熱材を調べてみると、種類が様々で、どの様な特徴を持つかイメージしにくいかと思います。

そこで、この記事では住宅の断熱材にスポットを当て、その種類と特徴について解説したいと思います。

尚、この記事では

・グラスウール
・ロックウール
・セルロースファイバー
・ポリスチレンフォーム
・硬質ウレタンフォーム
・フェノールフォーム
・炭化コルク
・羊毛断熱材

…について取り上げます。

グラスウール

住宅の断熱材の代表格の1つがグラスウールと言えるでしょう。
グラスウールはガラス質の繊維素材で、原料のガラスを高温で溶かして線維化する物です。

尚、グラスウールはアスベストの様な危険性は無く、安全に使うことが出来ます。

ほとんどの工務店、ハウスメーカーがグラスウールを使用しております。

よく使われているグラスウール 10K、16K、24K

当社が使用しているのは、主に16K又は24Kです。(一般的に高性能と呼ばれております)

グラスウール

メリット

グラスウールの最大のメリットはコストパフォーマンスが良いことです。
そのため、住宅の建築コストを抑えるのに良い素材と言うことが出来ます。

また、無機素材であるため燃えにくいメリットもあります。火災の際の延焼のリスクを低減可能なので、住宅の安全性確保に適しています。

そして、劣化しにくいのも魅力的な点です。
金属素材や石油由来の物質は、歳月が経ってしまうと劣化してしまいます。
しかし、ガラスは化学的に安定しているため、老朽化しにくいです。

デメリット

デメリットとしては湿気に弱い点があります。
この素材は水の侵入によって、著しく断熱パフォーマンスを落としてしまうのです。

また、施工に精度が必要なのも弱点と言うことが出来ます。隙間などが出来てしまうと、断熱効果を下げてしまうからです。

ただし、これらの不具合発生の大半は、施工の悪さが起因する物です。職人の技量でカバーが可能です。

ロックウール

ロックウールは鉱物を原料とした繊維系断熱材です。玄武岩などの鉱石を高温で溶融し、繊維状に成形します。

尚、天然鉱物の線維化と言えばアスベストが思い出されるかも知れませんが、現在のロックウールにはアスベストは入っていません。

ロックウール

メリット

ロックウールのメリットは火に強いことです。原料が燃えない鉱物で出来ているため火に強く、火災に強い家を造ることが出来ます。

デメリット

デメリットとしては、グラスウールよりも値段が少し高めである点です。
安価なグラスウールと比較すると、どうしても見劣りしてしまいます。

また、湿気にもあまり強くありません。
ロックウールそのものは水をはじく素材ではありますが、それでも湿気を含んでしまうと、断熱効果が落ちてしまいます。

セルロースファイバー

セルロースファイバーはパルプなどを主原料とした素材です。
基本的には紙の様な物質で、薬剤を加えて難燃性をアップさせ、虫にも強くしています。

セルロースファイバー

メリット

セルロースファイバーのメリットは、素材が天然素材のため、環境に優しい家づくりが可能となる点です。

例えば、グラスウールやロックウールなどの素材は、材料を高温で溶融しなければならず、大量のエネルギーが必要です。
このエネルギーを生み出すためには、発電などの別なエネルギーの使用が必要になるため、それだけ環境負荷が大きいです。

しかし、セルロースファイバーの場合は溶融の工程が無い分、エネルギーを使わなくて済むメリットがあるのです。

デメリット

セルロースファイバーのデメリットとしては、コストの高さが挙げられます。
グラスウールなどと比較すると、やはりコストの面で劣ってしまいます。
そのため、住宅建設の材料費が上がってしまいます。

また、セルロースファイバーは専門の工事員が必要な素材です。
どこの業者でも大丈夫とは行かない点も、デメリットと言えるでしょう。

セルロースファイバー施工例

ポリスチレンフォーム

ポリスチレンフォームはプラスチックの一種であるポリスチレンを発泡させた素材です。
この素材は、そのままでは火に弱いため、難燃剤などを加えています。

ポリスチレンフォームには製法によって、押出法ポリスチレンフォームとビーズ法ポリスチレンフォームの2種類に分けられます。

尚、ボード状になるため、床部分の断熱や、リフォームの際の外断熱にも便利な素材です。

当社でも使用しておりますが、一般的と言えます。

ポリエチレンフォーム

メリット

ポリスチレンフォームの特徴として、水に強い点がありますが、この点がグラスウールなどには無い点なので、メリットと言うことが出来ます。
また、ボード状ともなるので、現場での加工もしやすくなる点がメリットです。

断熱を考える場合、熱の出入りを抑えるのに外断熱は非常に有効です。
そして、外断熱は既存の壁を撤去せずに施工します。
そのためボード状の断熱材は便利で、リフォームの際には有用です。

デメリット

ポリスチレンフォームのデメリットは、コストが高めになる点です。
そのため、住宅の建設費用が上がってしまいます。
また、難燃性がアップしているとは言え、グラスウールやロックウールなどに比べると、やはり火炎には弱いです。

硬質ウレタンフォーム

硬質ウレタンフォームは、繊維状のグラスウールやボード状のポリスチレンフォームと違い、現場にて吹き付けて発泡させて断熱層を形成する素材です。
吹き付けた後で、この素材が発泡しながら大きく膨らみ、スポンジ状になります。

硬質ウレタンフォーム

メリット

硬質ウレタンフォームは吹き付けた部分にしっかり接着するのが特徴です。
部材間に隙間が出来ることが非常に少ないです。
そのため、工事の状況によって隙間が発生し得るグラスウールよりもしっかり納まります。

壁の内部には細かい部材などもあるため、グラスウールやポリスチレンフォームでは納めにくい部分もあります。
その点で、隙間にも入りやすい硬質ウレタンフォームは、非常に便利な素材と言うことが出来ます。

また、しっかりと食い付くため、断熱効果も非常に高くなります。そして、住宅全体の気密性も上がります。

尚、水や湿気にも強いです。この素材は独立発泡となっていて、気泡に水が入りにくい泡の構造となっています。

デメリット

硬質ウレタンフォームにも、やはりデメリットがあります。
まず1つ目に挙げられるのが、コストが高くなる点です。

基本的に、グラスウールやロックウールなどの素材より、価格帯が高めです。
そのため、住宅の建築コストも必然的に上がります。

また、熱に弱い点もデメリットの1つと言えます。
グラスウールやロックウールが熱に強いことから考えるならば、大きく違う特性とも言えるでしょう。

フェノールフォーム

フェノールフォームとは、高性能プラスチックであるフェノール樹脂を発泡させた素材で、高い断熱性能を持っています。
また、フェノール樹脂は化学的にも安定しているので、長期間に渡って安心して利用することが出来ます。

フェノールフォーム

メリット

フェノールフームのメリットは、断熱性能の高さと言うことが出来ます。
断熱材の種類はいろいろとありますが、その中でも群を抜いているとも言える素材です。
そのため、中古住宅などの断熱リフォームで、外断熱にする場合に、適していると言えます。

デメリット

フェノールフォームのデメリットは価格が高い点にあります。
これは、フェノール樹脂が高性能プラスチックであるためです。

プラスチックはグレードがあり、一般に性能が良くなればコストも連動して上がります。
フェノール樹脂の場合も、高性能になるので、やはり価格も上がってしまいます。

炭化コルク

炭化コルクは地中海沿岸の地域で採ることが出来るコルク材を主原料にする断熱材です。
「樹木を材料に…」と聞くと、もしかしたら森林伐採にも繋がるのでは、とも思われるかも知れませんが、炭化コルク材はコルクで作る工業製品の端材を再利用して作るので、安心出来る素材です。

炭化コルク 無添加住宅

メリット

炭化コルクのメリットには、優れた調湿機能を挙げることが出来ます。
調湿は居室内の湿度を調整する機能ですが、グラスウールやロックウールには見られない特性です。

また、天然素材で、しかも「あまった材料」を利用して作る素材であるため、環境に優しい点も魅力的です。

デメリット

デメリットには、価格の高さがあります。
コルクは自然素材で、しかも端材を使うので、価格が抑えられるかと思われますが、グラスウールなどよりはコストが上がってしまいます。
そのため、建築コストが上がります。

羊毛断熱材

羊毛断熱材とは、その名の通り、羊毛をベースとした断熱材です。
羊毛をベースにして、化学繊維などを加えて成形します。
羊毛特有の空気を多く取り込む性能で、優れた断熱性能を発揮する素材と言うことが出来ます。

羊毛断熱材

メリット

羊毛断熱材のメリットは、調湿機能がある点です。
これは他の無機繊維系断熱材や発泡プラスチック系断熱材には、あまり見られない特性です。そのため、室内の空気環境も良くなります。

また、羊毛は天然素材のため、環境にも優しいです。
他の繊維系断熱材はエネルギーを、プラスチック系断熱材が石油から作ることを考えると、エコ素材として優秀であると言うことが出来ます。ホウ酸が練り込まれておりシロアリの害にも強いです。

デメリット

羊毛断熱材のデメリットは、価格の高さと、施工出来る業者が少ない点にあります。
価格面では安価なグラスウールよりもかなり上がってしまいます。
また、断熱材としても比較的少ないので、やはりノウハウを持った業者が少ないです。グラスウールが不燃性で羊毛断熱材は難燃性です。グラスウールやロックウールよりも燃えやすい素材です。

まとめ

住宅の断熱材は多く、コストパフォーマンスに特化した物、環境への優しさに特化した物、調湿などの機能に特化した物があることが分かったことと思います。これは、家づくりでコストを重視するか、それ以外の性能を重視するかによって、使う素材が違って来る事でしょう。

尚、今の住宅市場を見ると、中古住宅をリフォームして住み続けるケースが増えています。
リフォームにおいても価格と特性のバランスを見極める必要があるので、それぞれの素材を知っておくことをおすすめします。

一般的な、建売住宅などで幅広く使用されているのは圧倒的に、グラスウールです。メリット、デメリットは先にあげたとおりです。確かにいい素材は、UA値が低く【熱が逃げない】ので暖かいと言えますが断熱だけが良すぎてもどうなのでしょうか。どのレベルをご選択されるかはお客様次第でもありますので施工する会社と話し合う必要があると思います。

グラスウールは費用は安いけどそれなりに効果を発揮する商品でもあるということを付け加えておきます。

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