築年数が経った木造戸建て住宅のリノベーションをご検討中の方で、間取りの大幅な変更を希望される方は多いのではないでしょうか。
間取り変更の際に気になるのが、柱の存在です。柱は建物を支える重要な構造材ですが、間取りによっては邪魔になることもあります。
「柱を抜きたいけど、大丈夫なの?」
この記事では、そんな疑問をお持ちのあなたに向けて、木造戸建て住宅のリノベーションにおける柱の役割や、抜ける柱・抜けない柱の見分け方、注意点などを解説します。
柱の役割
柱は、建物の骨組みを構成する垂直材で、建物の荷重を支える重要な役割を担っています。具体的には、以下のような役割があります。
- 垂直荷重の支持: 屋根や上階の重量を支え、基礎に伝える
- 水平荷重の抵抗: 地震や風などの水平方向の力に抵抗し、建物の変形を防ぐ
- 建物の安定性の確保: 建物の形状を維持し、安定性を保つ
抜ける柱と抜けない柱
柱には、建物の構造上重要な役割を担っている「構造柱」と、そうでない「装飾柱(または間柱)」があります。
- 構造柱: 建物の荷重を支える重要な柱で、本来は抜くことができません。構造計算に基づいた適切な補強工事(柱の増設や梁の設置など)を行うことで、抜くことができる場合があります。
- 装飾柱(間柱): 構造的な役割は持たず、装飾や間仕切りとしての役割を担う柱です。装飾柱は、建物の構造に影響を与えないため、抜くことができる場合があります。






柱の見分け方
構造柱と装飾柱を見分けるには、以下の方法があります。
- 設計図の確認: 設計図には、柱の種類や配置が記載されています。
- 専門家への相談: リノベーション会社や建築士などの専門家に相談し、現地調査を依頼する。
- 柱の太さや材質: 一般的に、構造柱は太く、材質も強度が高いものが使われています。
- 柱の位置: 構造柱は、建物の四隅や壁の交差点など、重要な位置に配置されていることが多いです。
柱を抜く際の注意点
柱を抜く場合には、以下の点に注意する必要があります。
- 構造計算: 柱を抜いても建物が安全であることを確認するために、構造計算を行う必要があります。
- 補強工事: 柱を抜くことによって建物の強度が不足する場合には、梁や筋交いなどの補強工事が必要になります。
- 建築基準法: 建築基準法では、建物の安全性に関する規定が定められています。柱を抜く際には、建築基準法に適合している必要があります。
解体時の注意点
リノベーションの計画段階では、柱を抜けると思っていても、実際に天井や壁を解体してみると、抜かない方がいいと判断せざるを得ない状況が出てくることがあります。
- 柱の劣化: 柱が腐っていたり、シロアリの被害に遭っていたりする場合、強度が低下しているため、抜くことができません。このような状態の柱は、一度撤去し、新しい柱と交換する必要があります。
- 筋交いの位置: 柱を抜く予定の場所に、筋交い(建物の耐震性を高めるために斜めに取り付けられた部材)が入っている場合、筋交いを撤去する必要があります。筋交いを撤去すると、建物の耐震性が低下する可能性があるため、慎重な検討が必要です。
- 梁の存在: 天井を解体してみると、大きな梁が入っていて、その梁を柱で支えている場合があります。この場合、柱を抜くことは難しいと判断しなければなりません。
まとめ
木造戸建て住宅のリノベーションにおいて、柱を抜くことは慎重な判断が必要です。柱を抜くことによって、建物の安全性や耐久性に影響を与える可能性があります。
柱を抜くかどうかは、専門家にご相談いただき、建物の構造や状態を十分に確認した上で決定することをおすすめします。
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