「うちの土地、お隣さんとの境界がはっきりしないんだけど、このまま売れるんだろうか…」 「昔からの土地だから、境界を示す杭なんてどこにも見当たらない…」
はじめまして、八王子で23年以上不動産コンサルティングを行っております、MyDesignの泉田です。 不動産売却のご相談をお受けする中で、このような「境界」に関するご不安を非常に多くお聞きします。
結論から申し上げますと、境界が不明確なまま不動産を売却しようとすると、
- 買主から大幅な価格交渉(指値)をされる
- 売買契約が白紙撤回になる
- 将来、買主様と隣地所有者様との間で深刻なトラブルに発展する
など、売主様にとって一つも良いことはありません。 しかし、ご安心ください。境界が不明確な不動産も、正しい手順を踏めば、その価値をしっかりと守り、安心して売却することができます。
今回は、そのための具体的な「3つのステップ」をご紹介します。
ステップ1:すべての「根拠」を集める【現状把握・調査ステップ】
まず最初に行うのは、いわば「不動産の探偵」になることです。憶測で動くのではなく、客観的な事実と根拠を一つひとつ集めていきます。
- 公的な資料を収集する 法務局で「公図」「登記簿謄本」、そして最も重要な「地積測量図」を取得します。特に、過去に測量が行われていれば、地積測量図に境界の位置が明記されており、これが大きな手掛かりとなります。
- 現地で痕跡を探す 資料を手に、実際に現地を歩きます。古いコンクリート杭、金属プレート、石など、境界を示す「境界標」が、土や草木に埋もれていないか、塀の基礎部分に残っていないかなどを丁寧に確認します。
- 過去の経緯をヒアリングする 「昔、お隣さんと家の建て替えの時に、ブロック塀の中心を境界にしようと話した」といった、売主様ご自身が記憶している過去の経緯や、親御様から伝え聞いている情報が、非常に重要なヒントになることがあります。
このステップで、私たちは「何が分かっていて、何が分からないのか」を正確に把握します。
ステップ2:専門家による「境界確定測量」の実施【実行ステップ】
現状把握ができたら、いよいよ専門家の登場です。 私たちは、信頼できる「土地家屋調査士」に依頼し、「境界確定測量」を実施します。
土地家屋調査士は、ステップ1で集めた資料と、現地の状況、そして専用の測量機器を使い、法的な根拠に基づいた正確な境界点を割り出していきます。隣地所有者様にもお立会いいただき、現地で境界点を確認していく作業です。
この測量に基づき作成される「確定測量図」は、あなたの土地の範囲を公的に証明する、非常に価値の高い書類となります。
ステップ3:未来の安心を築く「筆界確認書」の取り交わし【合意形成ステップ】
測量図ができただけでは、実はまだ不十分です。その測量結果に対し、隣接する土地の所有者全員から「この境界で間違いありません」という同意を得て、未来の安心の証である『筆界確認書(ひっかいかくにんしょ)』を取り交わす必要があります。
そして、この『合意形成』のステップこそ、私たち不動産仲介のプロが真価を発揮する場面です。
もちろん、境界の測量や現地での立ち合い業務そのものは、国家資格者である土地家屋調査士の専門業務です。私たちはその専門家と密に連携し、プロジェクト全体を円滑に進めます。
しかし、土地家屋調査士が示した客観的な「事実」に対し、もし隣地の方が感情的な理由などでご納得いただけない場合、どうなるでしょうか。ここで私が、売主様のパートナーとして前面に立ち、対話を重ね、円満な合意へと導きます。これは、売却というゴールを見据えているからこそできる、非常に重要な役割なのです。
まとめ
境界が不明確な不動産の売却は、
- 調査:根拠となる資料を集め、現状を正確に把握する。
- 測量:土地家屋調査士という専門家と共に、法的な境界を確定させる。
- 合意:隣地所有者様と対話し、筆界確認書を取り交わす。
この3つのステップを、誠実に、そして粘り強く行うことで、必ず道は拓けます。 大切な資産の価値を損なうことなく、次の買主様へ安心して引き継ぐ。それが、プロとしての私たちの責任です。
八王子エリアで、境界に関するご不安をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。 私、泉田が、あなたの「最高のパートナー」として、問題解決からご売却まで、責任を持って伴走いたします。
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