住宅を建てる際、気密性とは何か、そしてなぜ重要なのかを理解することは、住宅選択の鍵を握ります。
この記事では、「C値」と呼ばれる住宅の気密性を示す指標と、気密性を高める方法をご紹介します。
これから家を新しく建てられる方だけでなく、現在お住まいの家の気密性が気になる方も、今回の記事を参考にしてみてください。
□気密性を表すC値とは
1:C値とは何か
C値は住宅の気密性を測定する際に使用される指標で、住宅の隙間の合計面積を延べ床面積で割ることで算出されます。
C値=住宅全体の隙間の合計面積÷延べ床面積
この値が低ければ低いほど、隙間が少なく、家全体の気密性が高いと評価されます。
2:低いC値の重要性
低いC値を持つ住宅は、外気の影響を受けにくいため、室内温度の維持が容易になります。
これは冷暖房の効率を高め、エネルギーコストの削減に、また、外部のホコリや花粉・騒音などが室内に侵入しにくくなるため、健康や快適性の観点からも非常に重要です。
低いC値は、高い断熱性能と密接に関連しており、省エネルギーの観点からも、今日の住宅設計において重要な要素となっています。
3:C値の適正基準
C値には明確な「良い」とされる基準値があり、一般的には「C値1.0以下」を目安として高気密住宅とされています。
ただし、地域や建物の設計によって最適なC値は異なるため、自分の住む地域や建物の特性を考慮して適切な数値を目指すことが重要です。
また、高気密住宅であっても換気は必要であり、適切な換気システムの設計も忘れてはなりません。
4:C値測定の実施時期と方法
C値の測定は、建物が完成した後、または気密施工が完了した後に行われます。
測定には専門の機器と技術が必要で、気密測定技能者によって実施されるのが一般的です。
5:C値と他の指標との関連性
C値はUA値(断熱性能を示す指標)と並んで、高断熱・高気密住宅を評価する上で重要な指標です。
これらの数値は相互に関連しており、高い気密性と断熱性を同時に達成することが、省エネルギーで快適な住宅を実現する鍵です。
□家の気密性を向上させる方法
*樹脂製サッシの採用
アルミサッシに比べ、樹脂製サッシは気密性と断熱性に優れています。
これにより、冷暖房の効率が向上し、エネルギーコストの削減につながります。
*片開きドアの選択
片開きドアは、引違いドアや片引きドアと比べ、気密性が高いです。
隙間が少なくなるため、外部からの冷気や暖気の侵入を抑えてくれます。
*FIX窓の活用
FIX窓(開閉できない窓)の採用は、気密性の向上に大いに役立ちます。
また、すべり出し窓の使用も、開閉可能でありながら気密性を保つ効果的な選択です。
□まとめ
C値は、住宅の気密性を示す重要な指標であり、低いC値を目指すことは多くのメリットをもたらします。
樹脂製サッシの採用、片開きドアの選択、FIX窓の活用などを通じて、住宅の気密性を高めることが可能です。
これらの方法を取り入れることで、エネルギー効率が高く、快適な住環境を実現できます。