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家づくりの知識

FRP防水、シート防水 それぞれの違いを解明 あなたの家はどっち?

FRP防水とシート防水の違い

日常生活において「防水」と聞くと、最初に靴や傘をイメージする人が多いことと思います。仮に靴に雨水が入るならば不快極まりない思いをしますし、傘から漏れるのであれば手元が雨水で濡れることもあるからです。

さて、建物においても防水が重要であることは言うまでもありません。防水が確保されていないと、様々な点で不具合が発生するからです。
ただ、建物の場合にはあまり防水については知られていないかと思います。そこで、ここでは建物の防水の代表的な物…FRP防水とシート防水について解説します。

屋根防水の必要性

FRP防水とシート防水の解説の前に、まずは屋根防水の必要性について再確認をしたいと思います。防水の役割にはどの様な物があるのでしょうか。

室内への雨水の侵入を防ぐ

室内に雨水が侵入すると、家具や床が雨水によって汚れてしまいます。また、状況によっては濡れた状態が長く続いてしまい、腐食やカビの発生のリスクが高くなってしまいます。そして、仮にカビなどに侵食された場合には居室内の空気環境も悪くなってしまい、状況によっては健康被害まで受けてしまいます。
さて、それを防ぐためには、雨水の侵入を食い止めることが必須です。

屋根の防水は居室に雨水が侵入するのを防ぐために必要です。仮に屋根部分の防水が上手く無い場合、屋根部分から雨水が侵入して屋根裏まで行き、居室内に侵入します。しかし、防水を確実にするならば、水の侵入を許さず、室内環境を良好に保たれるのです。

建物を長持ちさせるために必要

屋根防水は建物を長持ちさせるために重要です。と言うのも、水は建物を素材レベルから腐らせてしまう要因になるからです。
例えば、建築部品の一番小さい物…ネジについて考えてみましょう。
ネジは自動車などの機械に使われているイメージが強いかも知れませんが、建築物にも多く使われている部品です。しかも、部材と部材を固定する役目があるので、破壊したり強度が低下してはいけない部品と言えます。


さて、条件にもよりますが、ネジは錆びてボロボロになってしまいます。
そして、この条件に水が関係していることが多いです。例えば、塩害が強い地域などで水を被るならば、その部分が塩水になってしまうこともあり、腐食が早くなってしまいます。
しかし、屋根の防水が確実であるならば、ネジが水で侵されるリスクも低くなります。
そして、このリスクは建物の耐用年数にも影響します。水が簡単に入る様な防水の場合には建物の耐用年数が短くなり、防水が確実であれば長持ちさせることも可能となるのです。

FRP防水について

さて、次に屋根防水の代表選手の1つ、FRP防水について解説します。

FRP防水とは何か?

FRP防水とはどんな防水か

防水には大きく分けて2つの種類があると言えます。第一に挙げられるのが、シート状の防水材を屋根部分に敷いて貼り付ける方法。もう1つが液状の素材を屋根部分に流し込み、硬化させて水の侵入を防ぐ方法です。
FRP防水はこの内の後者…液状の材料で屋根部分を防水加工する方法と言えます。
さて、FRPとは一般的に繊維で補強したプラスチック素材を指します。私たちの身のまわりにある物としては、浴槽などが代表選手と言えるでしょう。

屋根のFRP防水は、液状になった樹脂にガラス繊維などの補強材を混合させて屋根に敷き、硬化させた屋根です。元々が液状のため、隙間の無い屋根を形成することが可能となります。

FRP防水のメリット

FRP防水には優れた特性がいくつもあります。大きな物としては、以下の4つの特性です。

・水密性が高い
・強度が高い
・軽量
・施工性が良い

まず水密性ですが、FRP防水は元々が液体の素材を塗布して形成します。そのため、施工さえしっかりとしていれば、水の侵入する隙間が発生しません。
次に、強度の問題ですが、FRP防水を補強するガラス繊維は軽量ながら非常に強い素材です。形成しているガラス繊維も非常に強く、簡単に切れることはありません。また、金属の様な早い劣化もしない特性があります。


また、軽量である点も魅力的です。FRPは金属などと比べても軽い素材で、軽量化の求められる場所に多く使われています。例えば、カヌーの様な小さな船を見てみると、FRPを用いた物を見つけることが出来ますが、これはFRPの軽量性と強度が求められるからと言えます。
その他にも施工性が良い点も魅力です。施工性が良いと工期が短く出来るからです。

FRP防水のデメリット

上記の様に、FRP防水には非常に優れた特性を持つのではありますが、やはりデメリットもあります。主なデメリットは以下の通りとなります。

・コストが高めになる
・施工場所に注意が必要

FRP防水の難点はコストが高めになる点です。そして、施工費用は面積に応じて変わり、広くなればそれだけコストの差も大きくなるので、トータルでの費用が高くなってしまいます。
また、施工場所についても注意が必要です。建物も構造の種類によっては伸縮する物もあります。そして、伸縮率が大きく違う時には、場合によっては破損にも繋がり得ます。ですから、施工の前に、工事をする場所の構造などについても確認する必要があります。

シート防水について

次にシート防水について解説します。

シート防水とは何か?

シート防水はどんな防水か

前述の様に、シート防水は防水加工のしてあるシート材を防水部分に敷いて固定し、施工した部分を塗装して仕上げる防水です。使うシート材には、塩ビ系のシートとゴム系の物があります。シートは接着、あるいは機械で固定します。
シート防水にもメリットとデメリットがあります。それぞれについて見て行きましょう。

シート防水のメリット

シート防水のメリットには、次の2点があります。

・施工する下地をあまり選ばない
・耐久性が良い

まず、下地をあまり選ばない点がメリットとして挙げられます。このメリットは特にリフォームの場合に物を言うメリットです。と言うのも、中古の建物の場合、屋根の部分がどの様な仕様であるかが分からない場合もあり、他の防水だと上手く施工出来ない場合があるからです。


特に、今は中古の物件が市場に多くあり、リフォームの需要が高まっていて、屋根リフォームも非常に重要となっています。この様な条件下において、屋根下地をあまり選ばない屋根防水は貴重とも言えるでしょう。
次に挙げられるメリットは耐久性の長さです。シート防水は設置するシートの物性や日照の条件などにもよりますが、15年程度の防水効果が期待出来ます。屋根は高所でもあるためにメンテナンスに手間が掛かる部分ですので、耐久性が高いとメンテナンスの手間が少なくて済みます。メンテナンスには費用が発生するので、嬉しい点とも言えるでしょう。

シート防水のデメリット

次にシート防水のデメリットについて挙げてみましょう。
シート防水のデメリットとしては、次の2点が挙げられます。

・複雑な形状の場所には向かない
・工事中の騒音や振動の問題

シート防水はシート状の防水材料を敷いて防水効果を出すため、シートを隙間なく貼らなくてはなりません。ですから、形状の単純な場所であればシート材をそのまま敷くことが出来るのですが、形状の複雑な部分はそうは行かず、難しくなってしまいます。
次に挙げられるのが、工事中に騒音や振動の発生するリスクがある点です。
これは機械でシートを張る場合に発生する音と振動で、工事の最中にはどうしても出てしまう音です。近隣に迷惑を掛けることにも繋がりますので、工事前の周囲への説明が一層大切になります。

防水について知っておきたいこと

建物を管理する上で、その建物の構成材や工事の特徴を知っておくことは大切です。仮に建物について知っておかない場合には、リフォームなどの場合に工事を間違ってしまうケースも考えられます。また、建築に関する知識を持っていれば、悪徳業者の話術に引っかかるリスクも少なくなるからです。
ここでは、屋根防水について知っておきたいことを挙げてみましょう。

防水は劣化する

建物の屋外環境を考えてみると、その状況は非常に厳しい物であることが伺えます。例えば、夏の日射を考えてみれば、日中の屋根材は非常に高い温度にまでなりますし、台風が来た場合には暴風雨に晒されます。また、冬場などは氷点下にまで気温が下がります。
そして、この影響を屋根の防水部分はダイレクトに受けます。日射に含まれる紫外線や水は塗料やプラスチックにダメージを与えますし、夏と冬の寒暖差も素材レベルで考えるならば、大きな悪条件ともなります。
そのため、屋根防水は劣化してしまいます。ですから、ある程度の時間が経ったら修繕の必要が出て来ることを忘れてはいけません。

定期的なチェックが必要

建物の外観の確認は比較的簡単です。内装部分も観察は難しくは無く、老朽化の有無を見つけるのは比較的容易です。
しかし、屋根の場合は高所になるために、その様に簡単には行きません。屋根は下からは見えにくいからです。
そうは言っても、見えにくいからと言っても、チェックせずにメンテナンスもしなければ、老朽化は進んでしまい、雨漏りなどにも繋がってしまいます。
ですから、雨漏りなどの不具合を避けるためにも、屋根においても時期を決めて定期的にチェックしましょう。

業者選びに注意する

リフォーム工事において業者選びを慎重にすることは非常に大切です。仮に注意を払わないで業者を決めてしまうと、悪徳業者を選んでしまう場合もあります。
屋根の防水工事に関しても同じで、技術のあまり良く無い会社もあり、その様な会社は回避する必要があります。屋根工事に関しても、口コミなどを見て会社の状況を調べることが大切です。

まとめ

屋根防水について、FRP防水とシート防水を見て来ました。それぞれの特性についてイメージ出来たことと思います。そして、この知識は特に、屋根をリフォームする場合に重要になります。
ですから、例えば中古不動産を取得して活用する場合には、非常に大切な知識になると言えます。建物を長持ちさせる上でも大切なので、しっかりと覚えておきましょう。

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