住宅設備はどうしても老朽化や故障が発生してしまうので、部品の交換などのメンテナンスが必要となります。
キッチンのガスコンロにしても同じことが言え、故障時などには部品を交換しなければなりません。
ところで、ガスコンロ(キッチン)の天板は特に汚れやすく、しかも意外に破損する部品です。油や調味料は飛びますし、重い鍋などを落とす場合もあるからです。
そして、仮にアクシデントがあった場合、天板の交換が必要となるのですが、ガスコンロ(キッチン)の天板には種類がいくつかあって、把握が結構大変です。
そこで、ここではガスコンロ(キッチン)の天板に焦点を当てて解説をしたいと思います。
ガスコンロ(キッチン)の天板の種類
ガスコンロ(キッチン)の天板の種類は意外に多く、以下の物がメインとして挙げられます
・ガラストップ
・ガラスコート
・ホーロー
・フッ素コート
・アルミトップ
・ステンレス
しかし、住宅用のキッチンを考える場合には、「ガラストップ」「ガラスコート」「ホーロー」が多いです。
そのため、ここではこの3種類の天板について紹介します。
ガスコンロまわりに求められる条件
天板の仕様について紹介する前に、ガスコンロ(キッチン)まわりに求められる性能について考えてみましょう。
と言うのも、ガスコンロ(キッチン)まわりは意外なほどの悪条件に晒されており、それぞれをクリアしなければならないからです。
熱に強い
まず第一に挙げられるのが「熱に対する強さ」です。
ガスコンロは火を使う設備です。そのために高い耐熱性が要求されます。
例えば、お湯を沸かす場合を考えてみましょう。
水は100℃で沸騰しますが、コンロの出す炎はそれよりも遥かに高い温度です。耐熱性は非常に大切なのです。
衝撃に強い
コンロまわりは何かと衝撃が加わります。
例えば、鍋やフライパンなどを誤ってぶつける時があります。
ぶつける時はそれほどの衝撃が加わらない様に見えますが、実は相当な衝撃が加わっているのです。
そして、その衝撃に耐えられない場合に破損してしまいます。そのために。天板には耐衝撃性が求められるのです。
キズが付きにくい
前述の通り、コンロには鍋やフライパンの衝突が考えられます。仮に、その場合に天板の強度が足らないと、破損までは行かなくともキズが残ります。
また、コンロまわりは洗剤などで磨かれる場合も多いです。
コンロは、その様な場合も耐えなければなりません。
つまり、キズが付きにくいことが大切なのです。
汚れが取れやすい
コンロは調理に使われますので、様々な汚れが付きやすいです。特に、油などの汚れはしつこいです。
ところで、住生活を快適に送るためには「掃除の簡単さ」が大きなポイントとなり、これはキッチンにも当てはまります。
つまり、コンロまわりも掃除がしやすいことが必要なのです。
そして、コンロの天板に関して言うならば、掃除のしやすさもですが、「汚れの落ちやすさ」も非常に大切です。
汚れたら研磨剤でゴシゴシと…では良くないのです。
腐食に強い
コンロまわりには水も飛びます。
また、水が付着したまま放置されることも度々です。また、付着するのは水だけではありません。
コンロには金属を腐食させ得る調味料も多く付着し得ます。そして、仮に付着したとしても、それが完全に掃除される訳では無く、長期間に渡って放置される場合もあります。
そして、コンロはその様な条件でも耐えなければなりません。
つまり、コンロは腐食にも強くなくてはならないのです。
薬品に強い
ガスコンロまわりの掃除には様々な洗剤が使われます。
使われる洗剤は、汚れに対して作用する物質とは言えますが、決してコンロに影響を与えないとは言えません。
含まれる物質によっては害を受ける可能性もあるのです。
ところで、コンロにその様な薬品が使われるのであれば、コンロとしては、それらの薬品に強いことが必要となります。
洗剤によって変色や腐食が発生しない様に、コンロにも強さが求められるのです。
ガラストップの特徴
次に、天板についての解説です。まずはガラストップの天板について紹介します。
住宅設備には「高級」「中級」「普及」の3つのグレードに分かれる物が多いのですが、キッチンも同様に分類されます。このグレードによってキッチンの天板も違います。ガラストップの物は、高級グレードの物が多いです。
どの様な材質か
ガラストップの天板は、強化ガラスで造られています。
ガラスは光沢に優れ、金属の様に腐食しません。また、薬品にも強い特性があります。
ガラストップのメリット
ガラストップの天板のメリットは、優れたデザイン性にあります。
ガラストップの天板を備えたキッチンは高級感があり、スタイリッシュです。
特に今のキッチンはリビングに続いているためインテリアとしてのデザイン性も求められるため、ガラストップの天板を設置したキッチンは、部屋の雰囲気を良くするためにも、非常におすすめ出来ます。
また、ガラストップの天板は、ガラス素材の長所を上手く活用しています。
ガラスの特性としては、油などが付着したとしても、簡単に落とすことが出来ます。
また、金属の様に錆びる危険性がありません。そして、洗剤などの様な薬品にも強いです。
そのため、上手に使えば、きれいな状態で非常に長い期間使うことが可能です。
ガラストップのデメリット
ガラストップのデメリットは「割れる可能性がある」点です。
ガラストップの天板は、確かに強化されて衝撃にも強くなってはいますが、絶対に壊れない訳ではありません。
許容値以上の衝撃力が加わってしまうと、やはり破損の危険性が出て来ます。
しかも、仮に破損をした場合、ガラストップそのものが価格が高いために、修理費用も高くなってしまいます。不意に食器を落としてしまった…その結果が数万円の修理費用…と言う事態もあり得るのです。
ガラスコートの特徴
次にガラスコートの特徴について紹介します。
ガラスコートの天板は、中級グレードのコンロに使われています。
どの様な材質か
ガラスコートはホーローの上にガラス質のコーティングをした素材です。
表面がガラス質なので、ガラスの長所を持たせた天板を言えます。
ただし、ガラストップとは基本的に違い、あくまでも鉄板の上にガラスが掛かった素材なので、ガラストップの持つ様な透明感はありません。
ガラスコートのメリット
ガラスコートのメリットとしては、熱に強く、メンテナンス性が高い点です。また、カラーバリエーションも多く揃っています。
ガラスは金属の様には腐食しません。
また、キズも付きにくく、洗剤や調味料などにも侵されません。
そのため、ガラスコートの天板もキズや洗剤などにも強いため、メンテナンスも簡単です。
ガラスコートのデメリット
ガラスコートのデメリットには「割れや剥がれ」があり得る点です。
ガラスコートは基本的に金属にホーロー処理をして、その上にガラスをコートする物です。
そのため、外部からの強い力や衝撃が加わると、割れや剥がれが発生し得ます。
ホーローの特徴
次にホーローについて紹介します。
ホーローは鍋などにも使われている昔からの素材です。
キッチンとしては普及グレードの物に多く使われています。
どの様な材質か
ホーローは金属の表面に陶磁器などに使われている釉薬を掛け、高温で焼き付ける素材です。
金属表面がガラスの皮膜でコートされているイメージとなります。
キッチンまわりは醤油や酢など、金属を腐食させる物質が多くありますが、ホーローはガラス質で金属表面を覆っているので、腐食しません。
ホーローのメリット
ホーローのメリットは、コストパフォーマンス性が高い点にあります。
また、汚れが落ちやすいなどのガラスの持つメリットも持ち合わせています。
前述の様に、キッチンは金属を腐食させる物質が多くあります。しかし、ホーローは表面をガラスで覆っているので、汚れも取れやすく、メンテナンスもしやすいです。
ホーローのデメリット
ホーローのデメリットは「錆びる場合」がある点です。
ホーローは確かに表面をガラス質でコートしてあるのですが、表面はそれほど強くはありません。
特にキズが付いた場合など、その部分から錆びることもあり、美観を損ねることがあります。
使用の際に注意したいこと
ここで、キッチンの使用について、注意したい点を取り上げてみましょう。
乱暴に扱わない
まず挙げたいのが「乱暴に扱わない」ことです。
ガラストップにしろホーローにしろ、「表面」として基本となるのはガラスです。
天板のガラスは確かに強化してあるのですが、やはり強化にも限度があります。扱いは丁寧にしましょう。
衝撃に注意する
天板は確かに強化してはいますが、「壊れなくなる」訳ではありません。
物を落とさない様に気を付けましょう。
尚、キッチンでは鍋の様な「重い物」だけを注意すべきではありません。
ガラスのコップや茶わんの様な「硬い物」にも注意すべきであることを覚えましょう。
こまめなメンテナンスを忘れずに
ガラストップにしろホーローにしろ、基本的にはガラスでコートしているため、表面は調味料や油に強いです。
しかし、こまめにメンテナンスは忘れるべきではありません。
特にホーローなどの様に表面のあまり強く無い仕様の場合は、キズの部分から腐食してしまうこともあります。
錆びさせないためにも、こまめな掃除を心掛けましょう。
まとめ
「ガラストップ」「ガラスコート」「ホーロー」の3種類のガスコンロ(キッチン)の天板について解説しました。
それぞれの特徴が分かったことと思います。スタイリッシュな物、コストパフォーマンスの良い物など、それぞれに魅力があります。
ただ、共通のこととして、いずれの仕様においても、扱いに気を付けなければいけません。
…ガラストップであれば割れる危険性が生じたり、ホーローなどの場合はキズが付いて錆びたりします。
気持ちよく生活するためには、「どれを選ぶか」を考えることも大切ですが、「どう使うか」をも考えることが大切です。
きれいに長く使いましょう。