居住用不動産を所有して住んでいる場合、長い間居住しているとあちこちが傷んできたり、生活スタイルが変わってきて、少し家の使い勝手が悪くなったりしてきます。
そのときに、家のリフォームを行いたいと考えるようになりますが、リフォーム費用は決して安くはありません。
手をかければかけるほど、リフォームの費用負担は大きくなり、金額の兼ね合いから自分の満足できるリフォームができない場合があります。
そこで近年注目されているのが0円リフォームと呼ばれるものです。
現金負担が0円でリフォームができるという新たなスキームが注目を浴びています。
では、この0円リフォームってどんな内容で、どんな仕組みで出来ているのでしょうか。
0円リフォームに興味はあるけど、あまりにも話がうますぎて不安だと考えてしまう人も多いでしょう。
今回は0円リフォームについて詳しく解説していきましょう。
0円リフォームって誰でもできるの?
0円リフォームは自宅のリフォームをしたくても費用面からなかなか踏み出せない人にはとても魅力のある内容です。
自己負担を全くすることなくお部屋がきれいになるわけですから、うまく利用できるなら是非とも行ってみたいリフォームですね。
0円リフォームは、通称“スマートリノベーション”と呼ばれています。
しかし、誰でもスマートリノベーションを利用して無料でリフォームできるわけではありません。
まず、下記の対象条件があります。
- 住宅ローンの残高が1,000万以上残っている人
- 住宅ローンの残期間が、10年以上残っている人
- 住宅ローンの金利が1.5%以上の人
上記の条件を満たしている人がリフォームを希望する場合は、スマートリノベーションの対象となるわけです。
スマートリノベーションを一言で表すと、“ローン借り換えを利用した金利負担差額をリフォーム費用にあてる”システムといえます。
なぜ、このようなことができるのでしょうか。
次の項目では、なぜ、スマートリノベーションのような仕組みができるのかについて解説していきましょう。
スマートリノベーションってどんな仕組み?
実は、日本の金利は、世界各国と比較してみてもとても低いのです。
実感として多くの人が感じているでしょうが、金融機関に貯金しても金利が低いので全く利息が多くないですよね。
貯金しても全く利息が増えないデメリットに対して、お金を借りるときに金利が低いのであまり利息が多くない状態で借りることができるというメリットもあります。
一般的に、自宅を購入する場合、現金一括で購入する人はほとんどいません。
多くは、金融機関にローンを組んで自宅を購入します。
ローンの金利が日本は非常に低く、特に2006年からはずっと金利は下がり続けています。
更に2016年からはマイナス金利政策を導入していますので、さらなる金利低下が続いている状態なのです。
金利が下がり続ける状態がどのような現象を引き起こすのかというと、例えば2006年に金利3%で35年のローンを組んで自宅を購入したと仮定しましょう。
2015年に金利が下がっていて、1.0%で借り換えすると、毎月の返済において金利負担分が減って、返済金額が減ることがあるのです。
スマートリノベーションは、ローンを組んだときの金利が今の金利で借り換えをした場合、返済額が減る人が対象になります。
借り換えによって負担が減った差額をリフォーム費用に充当するシステムがスマートリノベーションのポイントです。
スマートリノベーションのサービス内容はどんなもの
借り換えの手続きや、金利の交渉が面倒で自信がないという人も多いのではないでしょうか。
スマートリノベーションでは住宅ローン専門のプランナーによって金利引き下げのサポートまでを行ってくれます。
専門プランナーが行ってくれるのは以下のようなサービスです。
- どのくらいまで金利を引き下げることができるのかの提案
- どこの金融機関で借り換えを行った方がいいのかのアドバイス
- 実際に下がった金額で、リフォーム代や借り換え諸費用でどこまでリフォームができるのか 実際のシミュレーションを提示
- 借り換えにおける書類の手続きも完全フォロー
そもそも、自宅の購入などは一生に一度あるかないかといった人が多く、借り換えなんてできるのかどうかわからないという人も多いのではないでしょうか。
スマートリノベーションを利用すると、面倒で分かりにくい手続きを専門プランナーがフォローしますので、安心してお任せすることができます。
では実際にどのようなケースで利用できるのでしょうか。
実例を基に解説していきましょう。
スマートリノベーションを利用した実例
実際にスマートリノベーションを利用したケースを見てみましょう。
ケース1
・借入金額2,000万円
・金利2.5%
・金利負担額691万円
・支払総額2691万円
このケースで借り換えを行うと
・金利 2.5%→0.875%
・金利負担額 691万円→252万円まで削減することが可能です。
つまり金利負担分を439万円も減らすことができたのです。
439万円の内リフォーム費用に220万円をあててリフォームを行ったとしても、金利負担分を219万円減らすことができています。
支払総額が2,691万円から、リフォームを行っても2,472万円まで減らすことができます。
これにより毎月の費用負担が、89,000円から82,000円とリフォームを無料で行った上に毎月の負担額を7,000円減らすことができたのです。
ケース2
・残債1,900万円
・金利3.0%
・金利負担額
・595万円
・毎月返済110,000円
このケースの場合ですと
・金利 3.0%→0.975%
リフォーム費用が110万円、諸費用が50万円と残債が160万円増えて2,060万円の借り換えをおこなっています。
金利が0.975%になっていますので金利負担が595万円から197万円に減り、返済総額がリフォームを行ったとしても238万円減るのです。
毎月の返済額も110,000円から99,000円に減らすことができています。
まとめ
スマートリフォームは借り換えを有効的に利用したサービスで多くの人に利用、注目されているサービスです。
対象者には限りがあるのですが、実際に自分は対象になっていても気づかずに金額を負担してリフォームを行っているかもしれません。
借り換えの対象条件に全部入っていなかったとしても、スマートリノベーションを利用できるケースもあります。
もし、自宅の築年数が経過して、リフォームを検討していたら一度スマートリノベーションでシミュレーションを行ってみたらどうでしょうか。
スマートリノベーションには工事個所の制限がありませんので、好きな場所をリフォームすることも可能です。
取扱店舗も地域の優良店が対応していますので、工事も安心して任せられます。
特に、金利などあまり気にしていなかった人にはおすすめです。